Recently updated on 8月 27th, 2019 at 07:22 pm
先週末(3月31日)、東京女子医科大学
皮膚科学主任教授 川島 眞先生が退任されました。
昭和62年から長きにわたり、東京女子医科大学にて、
診察・教育・研究に熱心に取り組まれたご功労に敬意を表し、
今後のご活躍とご健勝を願う退任記念パーティーが、
都内ホテルにて開かれました。
今回は、川島先生のこれまでのご功績やパーティーの模様をご紹介します。
川島先生とのご縁は、
大塚美容形成外科創設者の前院長 石井秀忠からの長いお付き合いになります。
また、私の伯父が大学時代の同級生というご縁もありました。
美容が皮膚科医から敬遠されがちだった時代。
川島先生は、理論の裏付けにより、
美容皮膚科を科学的に体系だてた学問へと昇華させました。
今では身近になった「美容皮膚科」があるのも、
川島先生の功績によるものです。
■「光老化」の生みの親
川島先生と言えば、皮膚科学の第一人者として名を馳せる一方、
太陽光線による肌老化やトラブル対策を啓発するプロジェクトを、
「光老化」と標榜し、最近では、
紫外線対策の特集で美容雑誌にたびたび登場されるので、
ご存知の方もいらっしゃるでしょう。
■アトピー性皮膚炎とセラミド減少を解明
1991年頃、医学会では、アトピー性皮膚炎の原因は、
ダニアレルギーか食べ物アレルギーと言われていた頃。
川島先生は「セラミド成分」にいち早く目を向け、
“アトピー性皮膚炎のセラミド減少による、
バリアー機能低下”を証明されました。
さらに同疾患の皮膚を掻きむしる行動と、
精神的ストレスの関係を解明し、
「皮膚科心療」という言葉をつくられたのも川島先生です。
■川島先生が私たちの肌にもたらしたこと
アトピー性皮膚炎、慢性蕁麻疹、痤瘡などの治療エビデンスを多数構築し、
日本皮膚科診察の基盤をつくられたほか、
「化粧品機能評価法ガイドライン」を策定し、委員長を務めています。
川島先生の夢であり希望だった、
「シワを改善する」という医薬部外品の効能は30年ぶりに承認され、
皮膚科学はもちろん、化粧品業界においても唯一無二の存在となりました。
衰えを遅らせるのではなく、
年齢とともに美しい肌をもたらしたいという揺るがない思いは、
川島先生の終始一貫、こだわり続けてきた信念であるように思います。

