院長Dr.石井の美容ブログ

腹部のたるみ取り手術

Recently updated on 4月 4th, 2019 at 04:42 pm

最近は、海外で美容外科の手術を受けて来られる
患者さんもいらっしゃいます。

1週間後の抜糸目的で当院に来院されたり、
術後の経過が不安になり来院されます。

どのような手術をどこ(国)で受け、何日後の経過なのかを
聞くことができれば問題があるかないかは判断できます。

先日はタイで美容外科の手術を受け心配になり
当院へ来院された患者さんの診察を行いました。

詳しく聞くと2週間前にタイの美容外科でお腹のたるみを取る手術を受け、
日本に帰国後に徐々にお腹が痛くなり我慢できなくなったため
来院されたようです。

最初は一般病院に連絡したようですが
手術の内容が分からないという理由で断られたとのこと。

実際に診察してみると
傷口はきれいで感染している感じではありませんでした。

しかし、腹部の診察をすると圧痛(++)、反跳痛(±)でした。

腹部を触診した時の痛がり方が強すぎて
正確には反跳痛は分かりませんでしたが、
腹痛の際に一番見逃してはいけない状態が汎発性腹膜炎といって
お腹の中での感染が起こっている状態です。

この手術は皮膚と筋肉までなので深い部分の手術は行いません。
「お腹の中」とは、もっと深い部分で腸や内臓が入っている部分をさします。

例えば可能性としては、たまたまこの手術後に虫垂炎(盲腸)になり
手術の痛みだと我慢していたら虫垂炎が悪化して腹膜炎を起こしたとか、
単純に手術のミスでお腹の中(腹腔内)に感染が起きた、など考えられます。

腹膜炎を見過ごし放置していたらショックとなり生命の危険もあり得ます。
すぐに大学病院へ紹介し診てもらいました。意識状態や血圧などは
安定していたため当院の看護師が付き添った状態で行きました。

結果的には感染はなく傷も問題なく、不安によるパニック障害でした。

大事に至らず良かったと思いますが、海外での手術では術後の説明など
足りないことも多くあると思うので気をつけて下さい。

この「お腹のタルミ取り手術」は脂肪吸引よりも
はるかにきれいなボディラインを作ることができます。

脂肪吸引では手でつかめる部分の脂肪を取ることはできますが、
「お腹のタルミ取り手術」ではモデルさんのようなボディラインを
作ることができます。

デメリットは手術の傷です。
傷が目立たなければ理想的な手術方法だと思います。

最近開発された薬で手術の傷をきれいにする薬があります。
「ACell」という細胞外マトリックス製剤です(FDAで承認されています)。

創傷被覆剤のカテゴリーですが成長因子やコラーゲンが含まれており、
傷を治すための足場だけでなく必要なタンパク質が入っているため
傷の治りが早くなるとされています。

※たるみ取り(皮膚切除)の詳細はこちら


※記事の内容・金額については掲載当時のものになります。施術の詳細については各院までお問合せください。
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著者紹介

大塚美容形成外科 総院長
大塚院院長
大塚院金沢院京都院銀座院

石井 秀典医学博士Hidenori Ishii M.D. , Ph.D.

大塚院院長 石井 秀典医学博士
大塚美容外科 石井 秀典医学博士ブログ 大塚美容外科 石井 秀典医学博士 インスタグラム
略歴
2000年 帝京大学医学部 卒業
2000年 帝京大学医学部形成外科 入局
2005年 杏林大学病院 形成外科 入局
2006年 大塚美容形成外科 入局
2006年 医学博士号 学位取得

帝京大学医学部 形成外科 非常勤講師
美容外科・形成外科歴 23年

所属学会・団体
日本形成外科学会会員
日本美容外科学会(JSAPS)正会員
日本頭蓋顎顔面外科学会
日本創傷外科学会
国際形成外科学会会員
取得専門医
日本美容外科学会専門医(日本美容外科学会(JSAPS)認定)
日本形成外科学会専門医
医学博士
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