院長Dr.石井の美容ブログ

挙筋固定による切開重瞼(二重切開法)とは

Recently updated on 5月 20th, 2019 at 02:59 pm

まず、挙筋とは?

挙筋とは眼瞼挙筋腱膜という腱の一種です。

上まぶたを挙上する機能があり、目を開くための腱です。

目の開きに問題がない人では固定する必要はありませんが、
目の開きに左右差がある人や、埋没法では二重の線が早期に取れてしまう人には
挙筋固定による切開重瞼は有効な方法です。

切開重瞼の利点は、二重が取れにくいことがありますが、
私が思う一番の利点は「自然な二重」を作れることです。

わざわざ切開までして自然な二重とは、と不思議に思われるかもしれません。

確かに手術直後は腫れも強く、傷も目立つため自然な二重とは言えませんが、
最終的に6カ月ほど経過すると傷は薄い線があるだけで、
我々美容外科医が近づいてよく見ないと分かりません。

一般の方だったらよく見てもわかないです。

もともと自然な二重の方も二重の線はあります。
その線と切開の線の見分けは出来ないくらいになります。

また、自然な二重が作られる一番の理由は、
二重の線を眼瞼挙筋腱膜に固定できる点です。

これは、もともと自然な二重の方と同じ部分に固定されるため、
自然な二重となります。

しかし、切開重瞼でも二重の線が取れてしまうこともあります。

これは目が開ききらないことが原因です。
このような場合は眼瞼挙筋腱膜を固定すると目が開くようになり、
二重の線が作られます。

眼瞼挙筋腱膜を固定することにより、
眼瞼挙筋(筋肉)の力を伝えやすくします。

力が伝わりやすくなると目が開きやすくなります。
二重の線は目が開くことにより作られ、強く開くと、より深い二重の線となります。

逆に目の開きが弱く、眠たそうな目つきの場合は二重の線は浅くなるか、
二重にならないかです。

従って、「二重」と「目の開き」には深い関係があり、
目の開きが弱い人に対して重瞼術を行う場合は目の開きを良くするための
手術が必要となるわけです。

モニターさんは10代後半の方です。

毎日アイテープのようなものを使用しているようですが、
ラインが付きにくく切開による二重手術を希望され来院されました。

術前の写真から眠たそうな目つきだと分かります。
目の開きが弱いため眉毛を持ち上げた状態で目を開いています。

眉毛を持ち上げるために額の筋肉を緊張させているため、
このままの状態で放置しておくといずれ額の横シワができます。

手術は眼瞼挙筋腱膜を瞼板へ固定し、目の開きを改善させ、
眼窩脂肪という瞼の脂肪を少しだけ切除してから、二重を腱膜に固定しています。

また、目の周りにできやすい脾粒腫という白い腫瘍の切除も行いました。

手術直後の腫れの状態です。

術後5日目で抜糸を行ったときです。
全体的に腫れている状態で、内出血もあります。

術後1カ月では腫れはほぼ無くなっています。
しかし、傷はまだ赤みがあるため、目を閉じると線はわかります。

術後3カ月まで経過すると傷の赤みも無くなり、
目を閉じても傷とは分からず、もともと自然な二重の人と同じようになります。

【切開法によるリスク】
切開線が目立つ、左右差、二重の消失、縫合糸膿瘍等の感染症、目の異物感等

【切開法による副作用】
1.術後の腫脹
大きな腫れは2週間程度、小さな腫れは1~2か月程度あります。
2.内出血
術後に内出血を起こす可能性があります。通常は2週間程度で自然に消失します。
3.傷跡
術後1~2か月程度切開線は赤くなります。メイクで隠せる程度の赤みです。
4.目の違和感
術後1週間程度は目が引っ張られる感じがあります。
5.ドライアイ
術後は目の開きが大きくなるため眼球の乾燥感が出現する可能性があります。
6.術後痛み
手術当日から翌日にかけては手術による痛みが出現する可能性があります。

【リスクと副作用に対する予防】
術後の感染症に対する予防的投与として抗生剤を処方します。術後の痛みに対して鎮痛剤と共に胃粘膜保護剤を処方します。術後の腫脹を軽減するために術後2日間の瞼に対するアイシングを推奨しています。

【傷跡に対する予防】
切開線を完全に無くすことは不可能ですが、出来るだけ目立たなくさせるために皮膚などの組織切除量を最小限に抑える工夫をしています。また、術後にはステロイド軟こうによる処置をしていただきます。

【料金(税別)】
切開法
片目…¥217,000、両目…¥310,000
切開法(挙筋固定)
片目…¥287,000、両目…¥410,000

▼切開法 https://www.otsuka-biyo.co.jp/lineup/eye/sekkai/


※記事の内容・金額については掲載当時のものになります。施術の詳細については各院までお問合せください。
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著者紹介

大塚美容形成外科 総院長
大塚院院長
大塚院金沢院京都院銀座院

石井 秀典医学博士Hidenori Ishii M.D. , Ph.D.

大塚院院長 石井 秀典医学博士
大塚美容外科 石井 秀典医学博士ブログ 大塚美容外科 石井 秀典医学博士 インスタグラム
略歴
2000年 帝京大学医学部 卒業
2000年 帝京大学医学部形成外科 入局
2005年 杏林大学病院 形成外科 入局
2006年 大塚美容形成外科 入局
2006年 医学博士号 学位取得

帝京大学医学部 形成外科 非常勤講師
美容外科・形成外科歴 23年

所属学会・団体
日本形成外科学会会員
日本美容外科学会(JSAPS)正会員
日本頭蓋顎顔面外科学会
日本創傷外科学会
国際形成外科学会会員
取得専門医
日本美容外科学会専門医(日本美容外科学会(JSAPS)認定)
日本形成外科学会専門医
医学博士
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