Recently updated on 5月 20th, 2019 at 03:44 pm
これから夏休みとなり切開する二重術も増えてきます。
切開する手術というとメリットよりもデメリットが先行してしまうイメージがありますが、実はとても自然な仕上がりとなりメリットが多くあります。
今回は術後の腫れている状態の写真もあるので術後の経過を含めて解説します。
切開法による二重術の最大のメリットは取れにくいことです。実際に切開を選ばれる患者さんの多くは取れにくい二重になる方法ということで切開法を選ばれます。
切開法で二重が取れにくくなる理由は固定力が強いからです。固定とは皮膚の下を糸で縫って固定することです。皮膚の下をどこに縫うかは、決まっていません。決まっていないというか、固定できる部位がいくつかありますのでご希望や状況に応じて決定します。固定できる場所は、瞼板と腱膜、腱膜の延長部分、隔膜があります。中でも瞼板は軟骨なので固定できる組織としては最も硬い部位です。硬い組織の方が固定力は強く取れにくくなります。しかし、固定力が強い分、二重の線が強くなりすぎて目を閉じた時でも線が目立ってしまう可能性があります。
私は切開による最大のデメリットは「手術したことが分かってしまうような傷」だと思います。しかし、目立たない傷にすることで、もともとの二重の人と同じような自然な二重を作ることができます。二重の構造は、腱膜から皮膚につながる線維組織が強く作られています。切開法ではその線維の変わりになるように糸で「組織」に固定するため、二重と同じ構造となり、自然な二重の状態に近くなります。埋没法はまぶた全体をざっくりと糸で固定している状態なので自然な二重の構造とはだいぶ違う状態となります。埋没法でも二重にした位置で二重のクセが出来てしまえば自然な二重と似た状態ができます。ただ、もともと一重の方はそのクセが出来にくいため戻ってしまうこともあります。
切開法により取れにくい二重を作ることは可能ですが、固定が強すぎると傷が目立ってしまいます。適度な固定力となるように適正な組織に固定することにより傷が目立たなくなり自然な二重と区別できないほど綺麗な二重まぶたを作るように心掛けています。
20代のモニターさんです。腫れぼったい一重の目を気にされてご来院されました。切開と同時にまぶたの脂肪も摘出しました。
<術前>
暗い印象を持たれてしまいがちな一重を気にされていらっしゃいました。
<施術直後>
切開した部分が大きく腫れていますが、くっきりとした二重のラインができています。
<術後5日目>
内出血による皮膚の変色が見られますが、経過とともに消えてきます。
<術後2週間>
内出血が、治まりました。
<術後1ヵ月と2週間>
まだ小さな腫れは残っていますが、綺麗なラインが出来上がっています。
<術後2か月3週間>
自然な二重になることで、目元が明るく優しい印象になりました。
<術後2か月3週間 目を閉じたところ>
切開部分も治癒し、自然なラインになりました。
【切開法によるリスク】
切開線が目立つ、左右差、二重の消失、縫合糸膿瘍等の感染症、目の異物感等
【切開法による副作用】
1.術後の腫脹
大きな腫れは2週間程度、小さな腫れは1~2か月程度あります。
2.内出血
術後に内出血を起こす可能性があります。通常は2週間程度で自然に消失します。
3.傷跡
術後1~2か月程度切開線は赤くなります。メイクで隠せる程度の赤みです。
4.目の違和感
術後1週間程度は目が引っ張られる感じがあります。
5.ドライアイ
術後は目の開きが大きくなるため眼球の乾燥感が出現する可能性があります。
6.術後痛み
手術当日から翌日にかけては手術による痛みが出現する可能性があります。
【リスクと副作用に対する予防】
術後の感染症に対する予防的投与として抗生剤を処方します。術後の痛みに対して鎮痛剤と共に胃粘膜保護剤を処方します。術後の腫脹を軽減するために術後2日間の瞼に対するアイシングを推奨しています。
【傷跡に対する予防】
切開線を完全に無くすことは不可能ですが、出来るだけ目立たなくさせるために皮膚などの組織切除量を最小限に抑える工夫をしています。また、術後にはステロイド軟こうによる処置をしていただきます。
【料金(税別)】
切開法
片目…¥217,000、両目…¥310,000
切開法(挙筋固定)
片目…¥287,000、両目…¥410,000

