院長Dr.石井の美容ブログ

美容整形における医学的な見解

Recently updated on 4月 4th, 2019 at 04:40 pm

美容整形で最も多い治療部位は「まぶた」です。

特に上まぶたが多いです。
多くの患者様が二重埋没法を希望されます。

ただ二重にしたいというご要望でしたら問題ありませんが、
例えば「腫れぼったいまぶたを治したいから二重にしたい」や
「目が開きにくいから二重にしたい」など、何か不都合があって
二重を希望されている場合には、その不都合な部分を医師として
診察することが大切です。

美容整形の場合、患者様の希望のみを聞いてしまう可能性もありますが、
場合によっては何かの疾患の可能性もあります。

美容整形は、医師が行う医療行為ですからカウンセリングも医師が行います。

カウンセリングと同時に「診察」も行うため異常があれば検査も行いますし、
他の一般病院へ紹介することもあります。

美容整形から一般病院へ紹介する頻度は
全体の1%未満だと思いますので極まれなことですが、
異常がないことを確認してから美容の施術を行うことは基本的なことです。

先週は、日本美容外科学会(JSAPS)がありました。

帝京大学の小室教授が組織会長をされていたので、
医局員全員で学会のお手伝いをしました。

私は一般演題で発表も行いました。
内容は腫れぼったいまぶたの原因についてです。

美容整形では、腫れぼったいまぶたを治したいという希望で
来院される患者様は多く、その多くは二重埋没法を受けます。

学会で発表した症例も腫れぼったいまぶたに対して
二重埋没法を希望して来院された患者様です。

この患者様は過去に2回の埋没法を受けていましたが、
腫れぼったい側はすぐに取れていました。

腫れぼったい部分に腫瘤を疑わせる膨らみがあったため、
今回は埋没法ではなく切開法で二重を固定し、
さらに腫瘤部分は病理検査が必要だと思われました。

結果的には涙腺脱臼という疾患でした。

膨らんだ部分の経過は30年間変化がないことから
腫瘍性の疾患の可能性はないと判断していましたが、
この期間が2~3年であったら腫瘍の可能性もあり
MRIやCTといった精密検査が必要となります。

涙腺腫瘍の中には悪性度が高い腫瘍もあり最初の診断が重要となります。

美容整形といっても稀ですが何か問題がある可能性もあります。
形成外科医としての標準的な医療知識は最低限必要なことだと思います。 

※二重切開法についてはこちら

※腫れぼったいまぶたの詳細についてはこちら


※記事の内容・金額については掲載当時のものになります。施術の詳細については各院までお問合せください。
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著者紹介

大塚美容形成外科 総院長
大塚院院長
大塚院金沢院京都院銀座院

石井 秀典医学博士Hidenori Ishii M.D. , Ph.D.

大塚院院長 石井 秀典医学博士
大塚美容外科 石井 秀典医学博士ブログ 大塚美容外科 石井 秀典医学博士 インスタグラム
略歴
2000年 帝京大学医学部 卒業
2000年 帝京大学医学部形成外科 入局
2005年 杏林大学病院 形成外科 入局
2006年 大塚美容形成外科 入局
2006年 医学博士号 学位取得

帝京大学医学部 形成外科 非常勤講師
美容外科・形成外科歴 23年

所属学会・団体
日本形成外科学会会員
日本美容外科学会(JSAPS)正会員
日本頭蓋顎顔面外科学会
日本創傷外科学会
国際形成外科学会会員
取得専門医
日本美容外科学会専門医(日本美容外科学会(JSAPS)認定)
日本形成外科学会専門医
医学博士
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