院長Dr.石井の美容ブログ

糸のリフトアップ術について

Recently updated on 5月 14th, 2019 at 03:10 pm

先週はテレビの報道で、ある美容外科で受けた施術に問題があり
集団訴訟になっていました。
今回はこの件について私の意見を述べさせて頂きます。

「糸を使ったリフトアップ」という施術は一般的な方法です。
アメリカやヨーロッパでも行われており、
新しい糸の製品も開発されており施術自体には問題ありません。

今回の報道で問題となっていたのは術前の説明が不十分であったことと
価格によって手術を受けるように勧めている点でした。
術前の説明に関しては医師としてはインフォームドコンセント
(十分な説明に基づく同意)を取ることは常識中の常識ですが、
恐らくそれができていなかったと思います。

同意とは説明を受けた側が理解をしなければならないので、
医師側は分かりやすく説明することまで必要とされます。

糸の種類(形状)によってはリフトアップ術後に
ピリピリとした痛みが2週間くらい持続します。

また、開口制限(大きな口を開きにくくなる状態)が
2週間ほど出現する場合もあります。

開口制限に関してはご自身で試して頂くとわかりやすいと思います。
鏡で頬をリフトアップさせた状態で口を開けてみて下さい。
開きにくいことがわかると思います。
こういった説明が施術を行う医師が自ら説明することは
医師として最低限必要なことです。
もしも私がこの説明する機会を与えられなかったとしたら、
その手術はできません。

また、術後にデコボコが出現したようですが、これも説明が不十分です。
糸のリフトアップの場合は皮膚を引き上げたような仕上がりではなく、
タルミ部位を指で押し上げたような効果になります。
押しすぎれば陥没してしまいます。
もしも皮膚を引き上げたような効果を望まれる場合には
皮膚切開を必要とするフェイスリフトが適応となります。

手術のテクニック的にも糸を挿入する深さや部位によって
デコボコにならないように注意することが大切です。

写真は私が過去に執筆させて頂いた論文です(2010年)。


スレッドリフトとは糸を使ったフェイスリフト術の総称です。
皮膚を引き上げた効果ではなく指で押し上げたような効果だと
説明している写真です。


今回の報道で美容外科全体に対する不信感とならないよう
説明させて頂きました。


※記事の内容・金額については掲載当時のものになります。施術の詳細については各院までお問合せください。
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著者紹介

大塚美容形成外科 総院長
大塚院院長
大塚院金沢院京都院銀座院

石井 秀典医学博士Hidenori Ishii M.D. , Ph.D.

大塚院院長 石井 秀典医学博士
大塚美容外科 石井 秀典医学博士ブログ 大塚美容外科 石井 秀典医学博士 インスタグラム
略歴
2000年 帝京大学医学部 卒業
2000年 帝京大学医学部形成外科 入局
2005年 杏林大学病院 形成外科 入局
2006年 大塚美容形成外科 入局
2006年 医学博士号 学位取得

帝京大学医学部 形成外科 非常勤講師
美容外科・形成外科歴 23年

所属学会・団体
日本形成外科学会会員
日本美容外科学会(JSAPS)正会員
日本頭蓋顎顔面外科学会
日本創傷外科学会
国際形成外科学会会員
取得専門医
日本美容外科学会専門医(日本美容外科学会(JSAPS)認定)
日本形成外科学会専門医
医学博士
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