院長Dr.石井の美容ブログ

化粧品に含まれるレチノールと処方箋が必要なトレチノインの違い

Recently updated on 2月 4th, 2019 at 01:16 pm

大手化粧品メーカーがこの夏発売を開始した純粋レチノール配合のシワ改善化粧品が人気のようです。大々的にテレビCMや雑誌広告もしているので「純粋レチノール」という言葉を耳にしたことがある方も多いと思います。レチノールはビタミンAのことで化学的にはレチノイドと呼ばれています。

メーカーのホームページによるとレチノールの効果として
・表皮ヒアルロン酸の生成
・各層水分量の増加
・肌を柔軟にする
・シワを改善する
と、書かれています。エイジングケアの化粧品として非常に魅力的です。

ビタミンAは、表皮のターンオーバーを促進する効果があります。ターンオーバーとは、基底層で新しく生まれた細胞が古い細胞を押し上げていき、角質層に到達すると皮膚を守る役割(角化)を果たし、その後垢となって剥がれ落ちていくことです。表皮細胞は日々生まれていますので、このターンオーバーが繰り返し行われています。

若々しくみずみずしいお肌でいるためには、このターンオーバーのサイクルリズムを崩さないことが大切です。通常28日程度の周期と言われています。しかし、加齢に伴いターンオーバーの周期が、30日、40日といった具合に長くなっていってしまいます。
ビタミンAは、ターンオーバーを促進し、早すぎず遅すぎずの正常なサイクルに整える役割をしています。

美容外科で取り扱っている薬剤に『トレチノイン(オールトランスレチノイン酸)』というものがあります。


レチノールと名前が似ていますが違うものです。トレチノイン(オールトランスレチノイン酸)はビタミンAの誘導体(化合物)で、作用はレチノールの50倍~100倍の強さがあり、シミ、シワ・ニキビ跡治療などの肌再生医療に使用しています。個人差はありますが、肌のターンオーバーを約14日に加速します。古い角質とともにメラニンも排出されるため、シミをなくす効果が期待できます。しかし、その作用の強さから誤った使い方をしてしまうと、かえって肌を痛めてしまう可能性があります。

トレチノイン(オールトランスレチノイン酸)と併用することが多いのがハイドロキノンです。

ハイドロキノンは、メラニンを生成する酵素の働きを弱めたり、メラサイト(メラニン色素を生成する色素細胞)(※1)を減少させたりする作用があり、新しいシミができるのを予防してくれます。
トレチノインと併用することで【シミ・シワの改善】【美白・美肌効果】の両方を期待することが可能です。
ただし、ハイドロキノンは、日光に弱いという特性を持っているため、日焼け止めの使用を忘れずに行うようにしてください。

トレチノインもハイドロキノンもその作用の強さから、使用方法や使用期間など医師より細かな注意事項があります。必ずカウンセリングを受けてから使用を開始しなければなりません。

(※1:メラニンやメラサイトについてはこちらのブログ記事をご覧ください。
(http://www.otsuka-biyo.co.jp/blog/antiaging/2845/

▼大塚美容形成外科のトレチノイン治療/https://www.otsuka-biyo.co.jp/lineup/skin/tretinoin/


※記事の内容・金額については掲載当時のものになります。施術の詳細については各院までお問合せください。
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著者紹介

大塚美容形成外科 総院長
大塚院院長
大塚院金沢院京都院銀座院

石井 秀典医学博士Hidenori Ishii M.D. , Ph.D.

大塚院院長 石井 秀典医学博士
大塚美容外科 石井 秀典医学博士ブログ 大塚美容外科 石井 秀典医学博士 インスタグラム
略歴
2000年 帝京大学医学部 卒業
2000年 帝京大学医学部形成外科 入局
2005年 杏林大学病院 形成外科 入局
2006年 大塚美容形成外科 入局
2006年 医学博士号 学位取得

帝京大学医学部 形成外科 非常勤講師
美容外科・形成外科歴 23年

所属学会・団体
日本形成外科学会会員
日本美容外科学会(JSAPS)正会員
日本頭蓋顎顔面外科学会
日本創傷外科学会
国際形成外科学会会員
取得専門医
日本美容外科学会専門医(日本美容外科学会(JSAPS)認定)
日本形成外科学会専門医
医学博士
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