Recently updated on 5月 20th, 2019 at 02:19 pm
ホクロは、大きさや形状などによって
「ほくろ」「できもの」「いぼ」などと言われておりますが、
医学的には母斑細胞性母斑と言います。
メラニン顆粒が詰まった真皮メラノサイトが
真皮中層から脂肪層にかけて増殖している状態です。
なお「しみ」とは基本的に表皮性の病変なので、
ほくろとは全く違うものです。
「ほくろ」の中でも形や広がり方などから
組織学的に4種類に分類されています。
顔に発生するホクロの95%はMiescher母斑と呼ばれ
逆三角型(氷山型)の形をしています。
よって小さく見えても深いため、レーザー治療では
完全切除することが難しく再発する原因となっています。
特に20~30歳くらいの時期に成長することが多いため、
この年代で治療すると再発し易いと考えられます。
「ほくろ」の治療にはレーザー照射と手術による切除があります。
レーザーは顔面の5mm以下のホクロに対して適応となり5mm以上や
体のホクロに対しては手術が適応となります。
5mm以下でも顔面の位置によっては手術を選択する場合もあります。
今回の症例は背中のホクロです。
大きさは直径が15mmと大きなホクロでした。
生まれたときからあり、成長と共に「ほくろ」も大きくなってきたそうです。
治療法は手術による外科的な切除を行いました。
外科的な治療のメリットは再発を起こさないことです。
確実に一回の治療で終わります。
デメリットは一時的に傷跡が残ることです。
最終的には白い薄い線となるため気になることはないと思いますが、
そこまでには少し時間がかかります。
体の中でも背中は特に時間がかかる部位です。
普通は6カ月ほどで白くなりますが、
背中の場合は10~12カ月ほどかかります。
痛みに関してはレーザーも手術も同じで、最初の局所麻酔時だけです。
レーザー治療の麻酔というとクリームを使用するイメージがありますが、
ホクロの治療では皮膚を削るため注射の麻酔を使います。
よって手術でもレーザーでも麻酔は同じ方法となります。
手術の縫合時は傷口をあえて盛り上げて縫合します。
これは形成外科的な縫合方法で傷口に力がかからないようにする縫い方です。
傷の方向は皮膚のシワの方向(Relaxed Skin Tension Line)に
仕上がるようにデザインしています。
このような手術方法は形成外科で4年以上研修することにより
習得するものです。
症例は2カ月までの写真なので、できたら10カ月後くらいの写真を
取れれば更新していきたいと思います。
感染症、傷跡、切除部位により変形をきたす可能性もある
【ほくろ取り(切縫)による副作用】
1.傷の赤み
顔の傷だと赤みが残る期間は1か月から2か月ほどです。赤みが出ている期間に紫外線を浴びると炎症性色素沈着をきたす可能性があります。
2.手術部位の腫れ
大きな腫れはありませんが、小さな腫れは1日から2日程度あります。
3.術後痛み
手術した当日は軽度の痛みがあります。術後は鎮痛薬処方いたします。
【リスクに対する予防】
術後の感染症に対する予防的投与として抗生剤の内服を処方します。顔の手術には形成外科的な知識が必要になります。部位によって切開する方向を考えて行うため傷跡や術後変形を目立ちにくくすることができます。
【副作用に対する予防】
傷が赤い状態で紫外線を浴びると炎症性色素沈着をきたす可能性があります。当院では紫外線を予防する透明のシートや肌に優しいUVクリームをご用意しております。ほくろの切除では大きな腫れは起きませんが、術後1日はテープで創部を圧迫します。術後の痛みに対して鎮痛剤と胃粘膜保護剤を処方しています。
【料金(税別)】
1個…¥50,000~
▼ほくろ取り(切縫) https://www.otsuka-biyo.co.jp/lineup/skin/hokuro_ibo/

