よくテレビで宣伝され販売されている化粧品、健康飲料などでシワに効くとされているもの。
これらに医学的根拠があるのかの討論が、確か2011年の福岡で開催された日本美容外科学会(jsaps)でなされました。
一つの議題がコラーゲン含有の外用剤が、果たして皮膚に入っていって真皮層の膠原線維を再構成し、皮膚を若返らせることが出来るのか?
本題に入る前に、まずはコラーゲンの定義から。コラーゲンとは人体の作る蛋白質の一種で、他の蛋白質同様、アミノ酸、鉄分、ビタミンなどが合成されて形成されます。
よく食物繊維を摂ると便秘が直ると言われる線維とは、少しと言うか全然異なります。
最近、盛んにコラーゲン含有をうたった飲料物、化粧水などが販売されていますが、それらに医学的な裏づけはあるのか。
結論から言うと、あるとも無いとも言えないというのが現状です。
まずコラーゲンは皮膚から吸収されるのか。
これについては、質量が800未満のコラーゲンペプタイドというコラーゲンが切れた物であれば入る可能性があります。
しかし、そのペプタイドが再びつながってコラーゲンに再合成されるかどうかは全く分かっていないのが現況です。
したがって、コラーゲンペプタイド含有であれば効く可能性が無いとは言えない。とりあえず皮膚には入ってくれるというのが分かってるという段階です。
コラーゲン含有と書いてある製品で、その質量が800以上であれば、保湿剤としての役割しかない。もし改善したなら、保湿して皮膚の水分が増えたから皮膚が良くなったと分けて考える必要性があります。
販売者もよく研究していて、表示を見ると低分子コラーゲン含有という広告も良く見ます。低分子だから皮膚の中に入りやすいというわけです。
しかし残念ながら低分子であろうが何であろうが、質量が800以上だと全く皮膚の中には入り込まないということをしっかり認識しなければなりません。
そういった化粧水で良くなった場合、今まで保湿が上手く行ってなかったと自覚する。
そして、その化粧水が、一般的な保湿効果の要する化粧水に比較して、高くないかチェックする。
こういった態度が正しい消費者の姿と言えます。
つぎに、飲む、食べるコラーゲンはどうか?
これについては、次回、2つの興味深い論文を元にお話してみたいと思います。
ピンボケの写真で申し訳ありません。
先日、サザエさん展に出かけました。日曜の夕方で何と300人入場待ち!
時代を超えた人気ぶりを感じました。

