札幌院院長Dr.武田のブログ

シワに効く物? コラーゲンという言葉を考える2

今日は、コラーゲン入り飲料、食物が果たしてシワの改善に役立つのかについて。すなわち、口から入った、コラーゲンは、どのような転帰を辿るのかということについて、お話ししてみたいと思います。

結論から先に言うと、はっきりとした転帰を知る人は誰も居ないということになります。

ただ、転帰を覗わせる動物実験結果が2つ存在し、何となく方向性を感じることはできます。

一つ目は、関節リュウマチを必ず発症するラットを用いた実験。

このラットに、コラーゲン含有量の異なる食事を与え続けて、軟骨の変形をみて、関節リュウマチの発症時期がどうなるか見ていきます。

すると、コラーゲンを多く含んだ食事の群が有意に発症時期が遅かったという実験結果が出ています。

これは、食事に含まれるコラーゲンが軟骨に何らかの影響を与えた、恐らくは多く運ばれ、軟骨の新陳代謝、維持に役立ったと考えるのが妥当でしょう。

二つ目は、ドイツ人のやった、恐ろしい実験結果。一体どれだけ被曝したんだという実験です。

同じくラットを用いた実験で、食事中のコラーゲンに放射性物質をラべリングし、経口投与後、皮膚をすりつぶして、放射性物資が皮膚に移行しているかどうか確かめるものです。

結果としては、皮膚から放射性物資が検出され、経口摂取したコラーゲンが皮膚に届いているというのが分かったという結果です。

ここで、じゃあ一体、摂取したコラーゲンの何パーセントが吸収され、そのうちのどれだけが軟骨、骨、靭帯へ行って、皮膚にはどれだけだと言う話になるのですが、それらは全く分かっていません。

ただ、コラーゲンが豊富な軟骨と言う場所で病気になりにくかった事、皮膚にも行くというのが確かめられたことから類推して、コラーゲンが豊富な物を食べたり飲んだりすれば、皮膚にも良かろうという漠然とした結論に至るわけです。

ここで思うのは、「知らないということは恐ろしい。」ということで、大体ここまで知ると、テレビで放映されているコラーゲン関連のコマーシャルはとても見るに堪えない、異常なまでに根拠の希薄な砂上の楼閣であることが分かります。

かく言う私も、形成外科専門医から美容外科を生業とし始めた18年前は、手術がしたくてしたくて、どんな手術でもやりまくってました。

元々形成外科の大きい手術をしてたため、半年位で美容の手術の9割以上ができるようになったからです。

しかし、18年経過すると、必ずしも患者さまにとって良い結果とならないことがある事を肌で知り、より用心深くなりました。

ガンガン儲けたい美容外科は、若い医者しか使わないのはこのためです。

知り過ぎると、恐くて臆病になり、嫌が上にも手術に対し慎重にならざるを得ないからです。

世の中理不尽なもので、知らぬが仏と言うのは実際にあるのです。

やや話がそれましたが、コラーゲン関連の食物、飲み物に関する私なりの結論を一つ。

健康的食生活を送ってる方は必要なし。食生活に問題があると感じられる方は、栄養補助として使うのも良いでしょう。ただ、あくまでも値段との相談で賢い選択をしていきましょうね。という結論です。

やみくもに全く効果なしと言うつもりはありません。我が家でも、かみさん、上の娘が、何やら怪しげな飲み物をせっせと飲んで、効いたとか効いてないとか言っています。

ただ、わたしは、今の所飲みませんね、と言うことで長いお話を締めようと思います。

 

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拙宅の庭で栽培している葡萄がいい色になって来ました。白ぶどうは、すでに収穫して食べましたが、果樹園顔負けの甘さ。

これから一ヶ月は、葡萄三昧の日々が続きます。

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※記事の内容・金額については掲載当時のものになります。施術の詳細については各院までお問合せください。

著者紹介

札幌院院長札幌院

武田 昇Noboru Takeda M.D.

札幌院院長 武田 昇 大塚美容外科 札幌院 ドクター武田ブログ
略歴
1990年 札幌医科大学 卒業
1990年 札幌医科大学附属病院皮膚科形成外科 入局
1993年 札幌形成外科病院 入局
1996年 旭川赤十字病院 入局
1998年 大塚美容形成外科 入局

美容形成外科歴 32年

所属学会・団体
国際形成外科学会会員
日本美容外科学会(JSAPS)正会員
日本形成外科学会会員
取得専門医
日本形成外科学会専門医
皮膚腫瘍外科指導専門医
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