年末から3月までは、特に二重瞼の手術が増える季節です。
卒業、入学、就職、転勤。
時代が変わっても周囲の環境が変化する時に、あまり人に気付かれる事なくとの配慮が感じられるのと同時に、少しほっとしたりもします。
二重瞼の手術のカウンセリングをしていて最近感じるのは、患者様の基礎知識の高さ。
かなりの頻度で「挙筋法」、「瞼板法」、というお言葉を頂戴します。
誰でも目を閉じている時には、一重。目が開く、すなわち挙筋と呼ばれる筋肉が収縮して上瞼が上がる時に、皮膚及びそれに連なる眼輪筋と、挙筋及びその延長とも言える瞼板がつながっていると皮膚が引き込まれて二重瞼になります。
挙筋と瞼板のどちらに糸をかけるか、またどちらの方が良いのか。
非常に悩ましい選択と言えます。
18年前、大塚美容形成外科で仕事を始めた時には、すでに瞼板法がメインでした。
しかしながら、当時の院長の石井秀忠先生は挙筋法。
石井秀忠先生の挙筋法選択の理由は極めて単純明快。
「瞼に針を通す時に手に感じる抵抗が少なくて、やりやすいから」と言うもの。
最近の美容外科の他院の挙筋法のメリットを読むと、いかにこの手術が難しく高尚なものであるか述べているものを目にしますが、挙筋法、瞼板法、いずれの手術もこなす私にしてみれば、「どちらも奥が深く難しい」、「どちらが良いか、取れにくいかは、正直、分からない」と言うのが正直な意見です。
札幌院では、固い組織である瞼板に無理がない程度にしっかり固定する瞼板法を第一選択として行っていますが、挙筋法をご希望であればご遠慮なく言って頂ければと思います。
当院では、絶対こちらじゃないとダメということはありません。
どちらでも構わないものは、あくまでも患者様が主役。
絶対に無理な時にだけ、こちら側の意見を、と言うのが私の治療スタンスです。
二重瞼の術式について、少し書かせて頂きました。

