では、皮膚皮下充填材のヒアルロン酸、レディエッセが動脈を閉塞したらどうなるのか?
1 激烈な痛み、眼球の支配動脈を冒した場合の急激な視力低下。
皮膚は外見上、蒼白感は出るものの、美容外科手術の後の経過報告でよくお目にかかる皮下出血斑、赤あざ、青あざは出現しません。
血流が途絶えているわけですから。
その外見上、さしたる変化が無いというのを放置すると大変なことになります。
ここで患者様の痛がり方、皮膚の微妙な変化、で動脈閉塞の可能性を疑うことができるか。
ここが一つの分岐点となります。
で、閉塞を疑ったら。
ヒアルロニダーゼというヒアルロン酸を溶かす物質の局所注入、アスピリンの内服、視力低下に対してはステロイドのパルス療法。
局所的には、マッサージの施行。
今私は、『もし自分の患者様が、こういった症状を訴えられたら、また、その兆候を自分が発見したら』
そう思いながら、最悪の事態からのリカバリー法、少しでも患者様の後遺症を少なくできるなら、と反復学習しながら、このブログを書いています。
ヒアルロン酸の注入を治療メニューに入れながら、ヒアルロニダーゼの用意も無いまま治療を行っているクリニックが多数存在します。
なぜなら、ヒアルロン酸を他院で注入し、溶かしてほしいという患者様が、当院に多数いらっしゃるからです。
『ヒアルロン酸が気に入らなかったら、ヒアルロニダーゼで溶かしていただけますか?』
そのクリニックがヒアルロニダーゼを用意しているかどうか判断する、一つの材料にはなると思います。
注入療法は、器具を必要とせず、誰にでも、すぐできる手術と思われがち。
しかし、一度皮下に放たれた物質は、決して外側から見れません。
決して経験の浅い医師が気安く行う手術ではないのです。
私も外科医としての修行を済ませていますが、まず外科医は全身麻酔の患者様の手術の助手から始まり、外来の日帰り局所麻酔の手術を任せられるのは、専門医になる、医師免許取得後5年目以降のことです。
色々な病院で、色々な人に出会い鍛えられ、『人間』になった後です。
医学部を卒業して2〜3年目の医者は、『人間』ではありません。
札幌の美容外科で起きた事故の当該医師は、患者様を運び込んだ先の病院で大声でわめき散らしていたやに聞きます。
まだ、『人間』には程遠いのでしょう。
かと言って、私が同様の事故を起こさ無いとは決して言え無い。
ただ、できる限りの回復治療を行うのはもちろんのこと、『人間』として振る舞おう、そんなふうに考えています。
大塚美容形成外科札幌院の目の前を、路面電車が走り抜ける時が近ずいてきました。
寒いのは苦手ですが、雪の中の電車を想像すると、かなり興奮してしまいます。
電車通過の模様は、動画で配信しようか検討中です。
それでは来週以降、再び話題を変えてブログを書いていきたいと思います。

