札幌院院長Dr.武田のブログ

深遠な鼻の世界

Blogを書く目的の一つに、いままで積み重ねて来た自分の知識、経験を振り返り確かめる、と言った作業があります。

今日は、リダクション、つまり小さくする方のお話をしてみようと思いましたが、大きい物を小さくする、と言った単純な概念だけでは鼻の手術は語れません。

一つの症例写真を元にお話を進めます。

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主訴

横に広がった小鼻、 正面から見える鼻孔 、はっきりしない鼻筋 鼻孔の大きさ

治療

鼻翼縮小 、シリコンプロテーゼによる隆鼻術

この二つの手術には相反する要素が存在しています。

鼻翼縮小は、鼻の量を減らす手術。隆鼻術は鼻の量を増やす手術。

ただ結果は、鼻孔が見えなく、かつ小さく。鼻の横幅も狭まり鼻筋も通って上品なお顔立ちに仕上がっています。

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ここで、鼻翼縮小の手術術式についてもお話ししておきます。

図の如く、患者様のご都合、御希望により鼻孔の中だけで縮小する方法と外側まで切開線が出る方法があります。

当然、外側まで切った方が効果は出ますが、あくまでも患者様の御希望と実際に診察させて頂いての術式決定となります。

さて、本題に戻ります。

以前、日本美容外科学会で聞いたワンフレーズ。

「顔はハーモニーである」 「スパーモデルでエラが張っていない人はいない」

あまり減らすとか増やすと言った概念に囚われること無く、患者様の欠点を覆い隠す事こそ美容外科の真骨頂では無かろうか。エラが張っていても、顔全体のハーモニーが取れていれば全く問題無いどころか、美しいし隠す必要も無い。

あくまでも、ハーモニー、バランス、なのです。

増やす、減らす、の二本立ての論理でお話を進めて行こうとして、ふと我に帰り反省した木曜日です。

来週も鼻のお話は続きます。

【鼻翼縮小術によるリスク】
感染症、皮下出血、傷跡、手術の効果が少ない、鼻変形

【鼻翼縮小術による副作用】
1.術後の腫れ
大きな腫れは1週間程度、小さな腫れは1か月程度あります。
2.内出血
術後に内出血を起こす可能性があります。通常は2週間程度で自然に消失します。
3.術後痛み
手術当日から翌日にかけては手術による痛みが出現する可能性があります。

【リスクと副作用に対する予防】
術後の感染症に対する予防的投与として抗生剤を処方します。術後の痛みに対して鎮痛剤と共に胃粘膜保護剤を処方します。

【傷跡に対する予防】
鼻翼部の傷は頭側(上方)に伸ばすと目立ってしまう可能性があります。切開する長さを考えてデザインを決めます。また、鼻翼の形は個人差が大きくあるため、その人にあった切開デザインや手術方法を選択しています。場合によっては鼻翼縮小術をお勧めしないこともあります。

【手術の効果が少ない場合】
鼻翼縮小術は術後に少し戻ることもあります。再手術により追加切除することもできますが、不自然になってしまう可能性もあるのでお勧めしない場合もあります。

【鼻変形に対する予防】
形は個人差が大きくあります。鼻翼縮小術に不向きな鼻もあるので無理に手術を行うと不自然な鼻になってしまう場合もあります。術前に鼻翼縮小術が適切かどうかを判断することが重要です。

【料金(税別)】
¥300,000

▼鼻翼縮小術 https://www.otsuka-biyo.co.jp/lineup/nose/biyoku/

【プロテーゼ隆鼻術によるリスク】
感染症、皮下出血、希望の高さと違う、鼻変形、石灰化

【プロテーゼ隆鼻術による副作用】
1.術後の腫れ
大きな腫れは1週間程度、小さな腫れは1か月程度あります。腫れる部位は主に目の周りです。
2.内出血
術後に内出血を起こす可能性があります。通常は2週間程度で自然に消失します。
3.術後痛み
手術当日から翌日にかけては手術による痛みが出現する可能性があります。

【術後の感染症に対する予防】
予防的投与として抗生剤を処方し、術後の痛みに対して鎮痛剤と共に胃粘膜保護剤を処方します。術後の腫れは主に目周りにおきます。腫れを軽減するために術後2日間の瞼に対するアイシングを推奨しています。

【希望の高さと違う場合】
当院では術前に十分なカウンセリングを、手術を担当する医師が行うため希望に近づけられるよう配慮はしておりますが、それでも万が一、希望と違う場合にはプロテーゼの入れ替えを行います。

【鼻変形に対する予防】
変形とは挿入したプロテーゼが曲がってしまい鼻が曲がってみえる症状です。プロテーゼが曲がってしまう原因は、ご本人の骨の形とプロテーゼの形が合っていないことと、プロテーゼが骨膜で固定されていない状態などです。当院では患者さまごとにプロテーゼを削り骨の形に合うようにしています。プロテーゼを挿入する際には骨膜の下を剥離して骨膜下にプロテーゼを挿入しています。また、術後はプロテーゼがずれないようにしっかりと圧迫しています。

【石灰化に対する予防】
プロテーゼを挿入してから20年ほど経過するとプロテーゼの周りに石灰化を生じる可能性があります。もしも、石灰化が生じた場合には外科的に切除することができます。

【料金(税別)】
片目…¥300,000

▼プロテーゼ隆鼻術 https://www.otsuka-biyo.co.jp/lineup/nose/prothese/

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※記事の内容・金額については掲載当時のものになります。施術の詳細については各院までお問合せください。

著者紹介

札幌院院長札幌院

武田 昇Noboru Takeda M.D.

札幌院院長 武田 昇 大塚美容外科 札幌院 ドクター武田ブログ
略歴
1990年 札幌医科大学 卒業
1990年 札幌医科大学附属病院皮膚科形成外科 入局
1993年 札幌形成外科病院 入局
1996年 旭川赤十字病院 入局
1998年 大塚美容形成外科 入局

美容形成外科歴 32年

所属学会・団体
国際形成外科学会会員
日本美容外科学会(JSAPS)正会員
日本形成外科学会会員
取得専門医
日本形成外科学会専門医
皮膚腫瘍外科指導専門医
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