ボツリヌストキシン製剤による皺治療。
その歴史は長く、ルーツは第二次世界大戦中の生物兵器開発にあります。
1980年台にアラガン社のボツリヌストキシン製剤、ボトックスがアメリカにおいて斜視、眼瞼痙攣に対し製造販売許可がおりて、本格的に人類に対する貢献が始まりました。
一時、ボツリヌストキシン製剤の安全性が問われた時期もありましたが、小児に対する痙攣などでは、美容目的の10倍もの量のボツリヌストキシンを投与が行われ、その場合でも事故は起きていないことから、至極安全な薬剤であると言えます。
表題の480万回、と言うのはアメリカにおけるボトックスの実施回数。
同じく非手術の皺治療としてご存知の方も多い、ヒアルロン酸など軟部組織充填剤の170万回と比較しても突出した多さ。
「ボトックスランチ」、「ボトックスナイト」など、あたかも日本で言う、「ママ友ランチ」と同じ位、ボトックスが生活の一部となっているのがわかります。
ボツリヌストキシン製剤に対する抗体の形成によって、薬が効きにくくなる、との指摘も、美容目的の量の少なさ、及び、実施する際の濃度を低くすることで回避する試みがなされ、逆に連続3回以上の投与で皺に対する効果が逆に長期間持続する、との報告も存在します。
http://essentiallybare.com/botox-fillers/
ボトックスにご興味が湧いた方は、上記リンクをクリックしてみて下さい。
一卵性双生児の女性の、ボトックス治療を継続的に受けた場合と受けていない場合の違いが、一目で分かります。
外見を若々しく保つ意識の喚起が、結局は「風が吹けば桶屋が儲かる」方式に、日本国民の社会保障費の圧縮につながるのでは?
そんな事を考えながら、今日も診療させて頂いています。
次回木曜日からは、私の考える望ましい鼻について、お話ししてみたいと思います。

