ピアスを飾るために耳朶(耳たぶ)に小さな穴を開けること(ピアスホールを開ける行為)を「ピアッシング」と呼びます。ピアッシングの施術は、海外では美容院等で行われていることが多いのですが、日本ではピアッシング施術は医療行為とみなされており、医療機関以外でのピアッシングは法律で禁止されています。
医療機関以外でピアッシング施術を受けると、消毒不足や不十分な衛生環境により、傷跡の化膿・炎症・感染症などのリスクが高まります。また、医療機関以外では感染症予防の薬を処方することができないため、傷口にトラブルが起きた際に症状の重篤化のリスクが高くなってしまいます。
ピアッシングにより耳朶に穴を開けるということは、通常の傷とは異なり、開けた穴を塞がない状態で傷を治療しなければならないため、通常の傷とは異なる治療が必要となります。こういった傷の治療を正しく行うためには医学的な知識が必要不可欠なため、安全で清潔な環境を提供でき、更に医学的知識とピアッシングの豊富な経験と知識がある医療機関で施術を受けることをお勧めします。
帝京大学医学部 形成外科 非常勤講師
美容形成外科歴 21年