歯科矯正の効果以上?出っ歯を治す施術について専門医が解説

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特に前歯が突出した状態の「出っ歯」は、初めはワイヤーによる歯列矯正で治そうという人が多くいます。しかし、出っ歯の程度によっては歯列矯正だけでは十分な改善が見られない場合があります。

「出っ歯を直したいけれど、歯列矯正ではあまり変わらなかった……」「一度は矯正されたけど元に戻ってしまった……」

そんな悩みに答えるために、歯列矯正よりも効果的な外科矯正法である、上顎骨体移動術(じょうがくこったいいどうじゅつ)について紹介します。

上顎骨体移動術とはどういう施術ですか?

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上顎骨体移動術は出っ歯の方など、上あごが突き出ている場合に行われる施術です。基本的には、4番目の歯を抜歯し、上あごを移動させるためのスペースを作ります。このスペースを利用して、口元を後方に引っ込めるのです。移動幅には個人差があり、最大で7mmとなっています。上あごを移動させる基準として、かみ合わせを優先します。

手術の際は、全身麻酔を行います。そのため、眠っている間に手術は終了します。顔にメスを入れることはなく、口の中だけの施術で完結します。

上顎骨体移動術のメリット・デメリットを教えてください。

上顎骨体移動術のメリットは3点あります。

1. 歯科矯正よりも効果が大きい

最大のメリットは、ワイヤーでの歯列矯正では不可能だった出っ歯の改善が可能なことです。歯列矯正は、歯の角度を変えてかみ合わせや、歯並び、見え方を改善するものです。一方、上顎骨体移動術は、骨の位置自体を変えます。歯の角度を変えるだけでは不可能だった改善が望めます。

2. 顔に傷跡が残らない

上顎骨体移動術は、口の中のみの施術です。顔の表面メスを入れないので他人の視線が気になる口元でも、術後の傷跡を気にする必要はありません。

術後、口の中に傷ができますが、外から見て目立つといったことはありません。

3. 施術時間、入院期間が短い

施術時間、入院期間が短いのもメリットの一つです。全身麻酔を使い、上あごを引っ込めるという施術ながら、手術にかかる時間は1時間~2時間程度。眠っている間に終了するため、心理的恐怖も少ないです。

入院期間も3日と、大きな負担になることはありません(大塚美容形成外科の場合)。

一方で、デメリットもあります。主なデメリットとしては歯の矯正と違い、外科的な侵襲を伴うことです。

1. 術後に腫れてしまう

メスを使った外科手術になりますので、どうしても術後の腫れがでてきます。

大きな腫れは1〜2週間程度、小さな腫れが2〜3ヶ月続きます。その間は外出時はマスクをするなどして隠すことはできますが、どうしても普段より気になってしまうこともあるかもしれません。

2. 突然上顎が引っ込むので見た目の変化が大きく、施術したことが簡単にわかってしまう

外科手術で一気にコンプレックスを改善するため効果はありますが、一方で周りにばれずに施術をしたいという方にはデメリットとなる可能性があります。

逆に、急激な変化を望む方はこの限りではありません。

どういった人に上顎骨体移動術は向いていますか?

上顎骨体移動術は、ワイヤーによる矯正ではかみ合わせや、顔のゆがみなどが治らない方向けの治療です。例えば、上あごが突き出ていて出っ歯の場合、上の歯茎が出ており、笑うと歯茎が目立って気になる場合が該当します。

また、ワイヤーによる矯正は難しいと診断された場合にも施術する場合があります。

実際、ワイヤーによる矯正には限界があり治らないケースもあります。出っ歯は改善したが口元全体が突き出たままといった場合は、上顎骨体移動術などの外科矯正が有効です。

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術名
上顎前方(前歯部)歯槽骨骨切り術
適応
上顎の過成長による咬み合わせの不良(いわゆる「出っ歯」)及び、それに伴う上の口元の突出感を生じる患者様が適応となります。
術式・手技
全身麻酔下・入院3~4日での治療となります。
上顎・左右4番目(あるいは5番目)の歯を抜歯し、後退させる為のスペースを確保。次に左右の犬歯間の骨切りを行い、後方へ移動し咬合・口元の改善をはかります。
効果
いわゆる「出っ歯」等の咬み合わせと、上の口元を後退させることによる審美性の改善。
リスク
術後の疼痛:1~2日間…鎮痛剤を投与します。
術後の腫れ:1~2週間…腫れの大きさ・期間には個人差があります。
歯冠空隙(しかんくうげき:歯と歯の隙間のこと)…術式の項目で説明した通り、4番目(あるいは5番目)の歯をを抜歯したスペースを、咬合を考慮した場合、全て距離を後退させることができないことがあります。その時に歯冠空隙ができます。生じた場合、手術3~6ヶ月後に補綴(セラミッククラウン等)あるいは矯正治療が必要となることもあります。
危険性
術中の出血…多量に出血することはまずありません。よって、輸血などの心配はまずありません。
組織の壊死…術後、血行不良・感染等により、一部の骨及び歯牙の喪失などの合併症が極稀に可能性としてあります。
骨髄の失活…骨切りにより、歯の内部神経(歯髄)が切断されるが、徐々に(1~3年)回復されます。回復されない場合、歯髄の処置・歯の漂白治療が必要となることもあります。
価格
¥700,000(税抜)
ドクターのコメント
術前は唇が上がり、歯茎が見えていましたが、上顎を下げることにより、術後は歯茎が見えにくくなり、口唇が閉じやすくなり、すっきりとした口元に変わりました。乾燥による歯肉炎も改善されました。様々なデメリットが解消されたことにより、口角も上がり、自然にスマイルラインが作れるようになりました。

術前、術後に気を付けることはありますか?

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上顎骨体移動術を受ける際は、術前と術後に、いくつか気をつけることがあります。

術前に気をつける点

手術前には虫歯や歯周病などの口内の病気を治療する必要があります。また、治療の障害となる親知らずなどは抜歯しなければなりません。

さらに片側咀嚼や頬杖、口呼吸など、口にかかわる悪習慣も改善しておくほうがベターです。

術後に気をつける点

術後の喫煙は控えましょう。傷口の治りが悪くなるだけでなく、咳や痰が多くなります。また、口内の施術のため最初は食事がしにくくなります。それでも、栄養バランスのよい食事を摂ることが肝要です。

最後に、術後は定期的にかみ合わせのチェックを受ける必要があります。ただ、頻繁に通院が必要なわけではなく、3か月、半年、1年後程度の頻度で済みます。

上顎骨体移動術で、自信ある笑顔を手に入れましょう

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自身の顔にコンプレックスを持つ人は、どうしてもコンプレックスに対してストレスを感じやすくなります。出っ歯が理由で、人と自信をもってコミュニケーションをとれない……。

そんな方は上顎骨体移動術で、悩みを解決できるかもしれません。自身の口元に自信を持てるようになると、日常生活がもっと楽しくなります。

今回の外科矯正も含めた美容形成外科手術は、あなたのコンプレックスを解消し今後の人生を豊かにするためにあります。

専門的な手術のため不安に感じる方も多いでしょう。不安を解消するため、まずは専門医によるカウンセリングを受けてみてはいかがですか?

▼出っ歯・上顎が突き出ているお悩み―大塚美容形成外科
http://dental.otsukabiyo.com/case/case01/

記事監修医師紹介

大塚院院長大塚院金沢院京都院

石井 秀典医学博士Hidenori Ishii M.D. , Ph.D.

大塚院院長 石井 秀典医学博士 大塚美容外科 石井 秀典医学博士ブログ
略歴
平成12年 帝京大学医学部 卒業
平成12年 帝京大学医学部形成外科 入局
平成17年 杏林大学病院 形成外科 入局
平成18年 大塚美容形成外科 入局
平成18年 医学博士号 学位取得

帝京大学医学部 形成外科 非常勤講師
美容形成外科歴 19年

所属学会・団体
日本形成外科学会会員
日本美容外科学会(JSAPS)正会員
日本頭蓋顎顔面外科学会
日本創傷外科学会
国際形成外科学会会員
日本形成外科学会会員
取得専門医
日本美容外科学会専門医(日本美容外科学会(JSAPS)認定)
日本形成外科学会専門医
医学博士