眼瞼下垂について ~代表的な原因と症状・対策方法まとめ~

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眼瞼下垂について 大塚美容形成外科 石井秀典 大塚院院長

大塚美容形成外科 石井秀典 大塚院院長

 
 
眼瞼下垂(がんけんかすい)という言葉を耳にしたことはありませんか?
テレビで取り上げられたこともあり、近年この病気で手術を受けられる方が増えています。
この眼瞼下垂について、どのような症状でどのような治療があるのか、また保険診療と自費診療の手術違いなどを、大塚美容形成外科・歯科の石井院長に詳しくお聞きしました。
 
 

眼瞼下垂とは

— はじめに、眼瞼下垂とはどんな病気なのかを教えてください。

眼瞼下垂とは、上まぶたを開けようとしても目の開きが弱く、開きにくくなっている状態のことを指す病名です。

通常は目を開いた時に、上まぶたが角膜という黒目の部分に0.5〜1mm程度かぶさっています。そこよりも下がっている状態が眼瞼下垂とされ、症状によって軽度・中程度・重度と3段階に分かれます。
 
眼瞼下垂とは?
 
瞳孔が隠れない軽度の眼瞼下垂は生活に支障がありませんが、上まぶたが瞳孔よりも下にかぶさると視野が狭くなるなどの症状が出るため、保険適用手術が可能となります。

以上が医学的に眼瞼下垂という病名を診断される基準ですが、現代では目の開きが弱いこと自体も眼瞼下垂とするケースがあります。例えば「一重まぶたの人」は生まれつき目の開きが弱く、病気とは認定されませんが、眼瞼下垂の状態であると言う医師もいます。

眼瞼下垂は、男性よりも女性の方が多く罹患するといわれています。女性は、アイメイクやメイクオフの際に物理的な刺激を上まぶたに与えてしまいがちで、それが原因だと考えられています。
 
 
— 眼瞼下垂ではどのような症状が出るのでしょうか?

眼瞼下垂の症状としては、まぶたが重たい、視野が狭くなる、目が開きにくい、疲れ目などが挙げられます。
進行している患者さんのなかには、テレビを観る際に上まぶたにセロハンテープを貼っている方もいらっしゃいます。
 
 

眼瞼下垂の原因

— 眼瞼下垂の原因について詳しく教えてください。

眼瞼下垂には、先天性(生まれつき)のものと後天性のものがあります。

先天性眼瞼下垂の主な原因は、まぶたを直接持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋とミューラー筋)が生まれつき弱いというものです。
あとは脳神経の異常で、動眼神経麻痺のような目を開く神経に麻痺が起きている方は眼瞼下垂になります。
先天性の眼瞼下垂で重度の場合は、視力が悪くなる可能性があるため、子供の頃に手術を行います。

後天性眼瞼下垂の一番の原因は加齢性の眼瞼下垂です。加齢は誰にでも起こるため、そういう意味では誰でも眼瞼下垂になる可能性があります。もともとは普通に開いていた上まぶたが老化とともに少しずつ下がってきます。まぶたを上げる上眼瞼挙筋の末端部にある瞼膜が瞼板(けんばん)から外れてしまうことが原因となります。
次にハードコンタクトレンズを長期使用することによって起きる「ハードコンタクトレンズ眼瞼下垂」。
あとは、後天的に罹患する神経の病気(重症筋無力症や脳の動脈瘤、脳梗塞など)で眼瞼下垂になるケースがあります。
さらに、目を開くための筋肉の病気が原因で起きる眼瞼下垂もあります。

先に説明した潜在的な眼瞼下垂である一重まぶたの方(先天性)が、加齢(後天性)すると、早くに症状が現れることがあります。
 
 

眼瞼下垂の症状

— 先に述べたまぶたが重いなどの症状以外にも、何か障害があらわれますか?

はい。美容的な特徴としては、目の開きが悪く無理に眉毛を上げるため、額にシワができやすくなります。
また、二重まぶたの方は眼瞼下垂が進むにつれて二重の線が浅くなり、やがて線が消えてしまいます。同じように、若い時に埋没法で二重にした一重まぶたの人が年を取って眼瞼下垂が進行すると、二重の線が取れてきます。

さらに上眼瞼にくぼみができると、とても老けて見えてしまいます。上眼瞼の中にある挙筋腱膜(きょきんけんまく)の上には脂肪が乗っていますが、眼瞼下垂は腱膜が瞼板から外れている状態で、脂肪も一緒にずれて奥に引っ込むため、くぼんでしまいます。
 
眼瞼下垂の症状
 
あとは、眼精疲労、肩こり、頭痛、頭が重たい感じ(頭重感)などの症状があらわれます。
 
 

眼瞼下垂の対策方法

眼瞼下垂の対策方法 大塚美容形成外科 石井秀典 大塚院院長
 
— 眼瞼下垂にならないように、セルフケアでできることはありますか?

物理的な刺激が一番良くないため、まぶたをこすらないようにしてください。お化粧を落とすときには、なるべく力を加えないでソフトに落としてください。

また紫外線も物理的な刺激になってしまうため、日焼け止めを塗る・サングラスをかける・帽子をかぶるなどの日焼け防止対策を行ってください。
花粉症の方はかゆみで目をこすりやすいため、目薬を適切に使ってこすらないようにしましょう。
 
 

— 眼瞼下垂の治療について教えてください。まずは手術からお願いします。

上まぶたを表側から切開して、眼瞼挙筋腱膜という腱膜と瞼板(けんばん)という軟骨を縫合して固定する方法が主流です。こうすることで、筋肉の力が伝わりやすくなって目が開きやすくなります。
よく患者さまに説明するのは、パンツのゴムがゆるくなっている状態だとゴムが効かないけれども、ゴムを短くすればゆるまない。腱膜を短くして、筋肉の力を伝わりやすくするイメージです。
 
眼瞼下垂の手術の仕組み
 
 
先天性の眼瞼下垂のように筋肉の力が弱く目が開きづらい方は、縫合だけだと効果が出にくい場合があります。腱膜をタッキング(織り込む)して固定し、縮めることで目を開きやすくします。
先天性の眼瞼下垂のように筋肉の力が弱く目が開きづらい方の場合
 

— 眼瞼下垂の手術で、保険診療と自費診療はどのように違うのですか?

まずは保険適応になる症状かどうかが挙げられます。中等度以上の眼瞼下垂でないと保険適用は受けられません。それ以外は自費診療となります。
保険診療で手術を行う場合は、目を開くという機能の改善が目的になるため、二重まぶたの仕上がりに関しては問題にしません。まぶたの美しさは求めてられていないのです。

しかし、眼瞼下垂の手術は同時に術後に二重まぶたになってしまう、二重形成の手術でもあります。二重まぶたを形成する「二重切開術」と同じ場所を切開します。
実際には美容的なことを考えて、保険診療のなかでもキレイに仕上げようと手術する医師もいるとは思いますが、仕上がりの美しさは求められていないため、何も考えずに手術を行う医師もいます。

目を開ける機能の改善だけ目指して手術すると、オーバーコレクション(過矯正)といって目が開き過ぎるように治療されてしまうことがあります。いわゆるビックリ目ですね。そうすると眉毛が下がりすぎて、無表情のような変な表情になることがあります。

美容整形のクリニックでは自由診療となります。美容整形クリニックは、二重まぶたをご希望される方が多いため、二重手術に関して多くの経験を持っています。機能の改善はもちろん、どうしたら術後に美しく仕上がるかを経験として知っており、それに伴う技術も確立しています。
また、先ほどお話しした、「一重まぶたの人」のような病気と認定されないレベルの眼瞼下垂の方でも、自由診療では治療の対象となります。
 
 

— 眼瞼下垂の手術のダウンタイムとリスクを教えてください。

術後には大きな腫れが約2週間、小さな腫れが1〜2ヶ月ぐらい続きます。
リスクとしては、皮膚切除を多く行うことにより、先ほど述べたビックリ目になる可能性があります。
また、二重の仕上がりで左右差が出てしまうこともあります。

私たち自由診療では、二重まぶた手術の経験が豊富にあり、できるだけ左右差が出ないように手術を行っています。
保険診療では入院がセットになっている医療機関がありますが、自費診療は原則日帰りです。特に入院が必要な手術ではないと考えています。
 
 

— 次に、切らない眼瞼下垂の治療法について教えてください。

上まぶたの裏側から糸を入れて、瞼板とミューラー筋をタッキングして縫い縮める手法で「ミューラー筋タッキング法(MT法)」と呼ばれています。最近では、眼瞼下垂の手術を切らない方法で行うことができます。
切らない眼瞼下垂の治療法
 
手術は、瞼の裏側から瞼板と挙筋腱膜に糸を通し、折りたたんで(タッキング)内側に固定します。ミュラー筋は挙筋腱膜と同時に折りたたまれます。腱膜と瞼板の2点留めになります。
MT法は目の開きをよくする手術ですが、同時に二重まぶたを形成するケースが多いため、埋没法と組み合わせた手術がよく行われています。

当クリニックの埋没法は2点留め・3点連結法(フォーエバーブリリアント埋没法※)になります。3点連結法は線の固定なので、取れにくいという特徴があります。

また、さらなるメリットとして、仕上がった完成形を手術中に確認できることが挙げられます。MT法とフォーエバーブリリアント埋没法の組み合わせだとほとんど腫れないため、手術中に患者さまが鏡を見ながら、術後はどのような目になるかを腫れていない状態で確認できます。
確認時の糸は仮留め状態のため、その後の微調整も可能です。納得した状態で仕上げられるため満足度が高く、安心して受けていただくことができます。

▼フォーエバーブリリアント埋没法について詳しくはこちら
https://www.otsuka-biyo.co.jp/lineup/eye/maibotsu/forever/
 

MT法のダウンタイムとリスクを教えてください。

MT法は、個人差はありますがほとんど腫れません。
しかし埋没法と同時に行うことで、埋没法のダウンタイムが発生します。一般的な埋没法のダウンタイムは、2点留めは大きな腫れが2〜3日、小さな腫れが1週間ぐらい続きます。3点連結法は大きな腫れが4〜5日、小さな腫れが2週間ぐらい続きます。
リスクは内出血があることと、糸が取れる可能性があることです。
 
 

手術で失敗しないために

— 眼瞼下垂の手術の失敗は誰でも気になるところです。失敗しないために気をつけることを教えてください。

まず大事なのは、ドクター選びです。
眼瞼下垂の手術は保険診療でも行っている手術なので、形成外科の専門医を持っていることは必須条件です。なおかつ美容外科クリニックで働いているドクターが一番良いと思います。眼瞼下垂の手術は、目の開きを改善すると同時に、二重を形成する手術なので美容的なセンスと経験は絶対に必要です。

当院では、二重まぶたの美容治療に来られる患者さまが非常に多く、ドクターはたくさんの症例を経験しています。形成外科専門医としての経歴も長く、患者さまそれぞれの症状を診て、治療を適切に判断します。
 
 

— 眼瞼下垂の人が手術を受ける際の注意点はありますか?

程度にもよりますが、眼瞼下垂の方が埋没法を受けると、かえって目が開きにくくなり、眠たい目つきになる人がいます。

また、額のシワ取りボトックスも受けないほうが良いでしょう。眼瞼下垂の方は、無理に眉毛を上げることで目が開いた状態を維持していますが、同時に額にシワができます。そのような方がボトックスを額に打つと、筋肉が動かなくなって眉毛が下がり、目が余計に開かなくなってしまうため、視界が狭くなる可能性があります。
 
 

— 一度手術を受けて、仕上がりに納得できない場合はどうしたら良いでしょうか。

機能の回復ではなく、見た目の美しさや仕上がりを修正する再手術は、保険診療ではなく、自由診療のクリニックから探すことをおすすめします。

再手術を希望される際は、できればインターネット上ではなくリアルな口コミを参考にして医療機関を探してください。個々の症状が違うため、ネット上の症例写真だと、あてにならない場合があります。

さらに実際にカウンセリングを受けて、そのドクターができる事とできない事を明確にするかどうかを確認してください。例えば、患者さまに無理そうな二重の幅を求められたときに、良い結果にならないだろうということをきちんと伝えて、時には手術を断るドクターは良い医師であると言えます。何でもやりますよというドクターは、あまり良くありません。ちゃんとしたドクターを見極めることが大切です。
 
 

まとめ

眼瞼下垂の対策方法まとめ 大塚美容形成外科 石井秀典 大塚院院長
 
眼瞼下垂という病名がつくと病気のイメージが先行する方も多くいると思いますが、眼瞼下垂の手術は目を開くという機能の回復手術であるとともに、二重まぶたにする手術でもあります。そのため美容的な仕上がりは当然必要であり、こだわったほうが良いと思います。

当院はドクターカウンセリングを無料で行っています。原則カウンセリングした同じドクターが施術するため、二重のイメージのずれが起こりにくいというメリットがあります。
さらに経験を重ねた形成外科と美容外科の専門医を合わせ持つドクターが治療を行うため、美しい仕上がりを目指すことができます。
 
— ありがとうございました!
 
 

▼大塚美容形成外科の眼瞼下垂治療
https://www.otsuka-biyo.co.jp/lineup/eye/gankenkasui/
 

記事監修医師紹介

大塚院院長大塚院金沢院京都院

石井 秀典医学博士Hidenori Ishii M.D. , Ph.D.

大塚院院長 石井 秀典医学博士 大塚美容外科 石井 秀典医学博士ブログ
略歴
平成12年 帝京大学医学部 卒業
平成12年 帝京大学医学部形成外科 入局
平成17年 杏林大学病院 形成外科 入局
平成18年 大塚美容形成外科 入局
平成18年 医学博士号 学位取得

帝京大学医学部 形成外科 非常勤講師
美容形成外科歴 20年

所属学会・団体
日本形成外科学会会員
日本美容外科学会(JSAPS)正会員
日本頭蓋顎顔面外科学会
日本創傷外科学会
国際形成外科学会会員
取得専門医
日本美容外科学会専門医(日本美容外科学会(JSAPS)認定)
日本形成外科学会専門医
医学博士