美容外科専門医*(JSAPS)がレクチャー!目の下のクマの原因と、種類別の正しい対処法

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顔の印象を左右する目もとにできる黒ずんだ影…。それがクマと呼ばれる症状です。目の下にクマがあることで、老けた印象を与えたり、疲れているように見られたりすることも。
実は、医学的には「クマ」は病気ではありません。「シワ」や「たるみ」のように、加齢などが原因であらわれる、いくつかの症状を指す言葉になります。見た目の印象を悪くするクマですが、原因によってはセルフケアでは解消が難しい場合があります。

このコラムでは、クマの種類の見分け方とその原因、対処法について詳しく解説します。

*美容外科専門医とは…美容外科の専門医を取得するには形成外科の専門医を取得していることが一つの条件となります。形成外科の専門医を取得するには形成外科医として少なくても5年以上の研修と所定の形成外科認定試験に合格することが必要となります。形成外科の専門医を取得しつつ、美容外科の症例を積み上げ美容外科に関連した学会発表や論文を発表し、更に厳しい審査に合格すると美容外科の専門医となれます。現在の日本では医師免許を取得できれば、次の日からでも美容外科を行うことができます。従って、皮膚の縫合などの経験がない美容外科医もいますし、10年ほどの道のりを経て美容外科専門医を取得している美容外科医もいます。
 
 

目の下のクマの原因

クマは大きく3種類に分類できます。目の下の皮膚が青紫に見える「青クマ」と、茶色くなっている「茶クマ」、目の下の膨みが影になってできる「黒クマ」です。

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一般的にクマができる原因は、疲労や睡眠不足だと思われがちですが、実はそうではありません。
クマの主な原因は「遺伝」です。といっても親から子へクマが遺伝するのではなく、クマになりやすい体質が遺伝するという意味になります。そのひとつが「骨格」で、彫りの深い顔立ちの人や目の大きな人はクマになりやすく、親の骨格が子供に遺伝すると、同じくクマになりやすい体質になります。他には、目の下の脂肪(眼窩脂肪)の多さや皮膚の薄さ、たるみやすさなどの生まれつきの体質が原因となります。
疲労、睡眠不足、加齢やストレス、紫外線のダメージなどは、症状を悪化させる原因になります。

目の下のクマは周囲にマイナスイメージを与えてしまうことがあるため、ない方が望ましいと言えるでしょう。
 
 

クマの見分け方について

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もしクマでお悩みなら、それがどの種類かをご自宅で確認することができます。まず鏡をご用意ください。鏡を見ながら、目尻に指先を軽く当てて、優しく引っ張ってみてください。
クマの位置が動かずに、皮膚のみが引っ張られる場合は「青クマ」です。
クマと皮膚が共に引っ張られる場合は「茶クマ」です。
引っ張るとクマが薄くなり、消えてしまう場合は「黒クマ」です。

クマは、その種類によってそれぞれ適した対処法や治療法があります。間違った方法でケアをすると、症状を進行させてしまう可能性もありますので、ご注意ください。

それでは次に、それぞれのクマの種類の詳しい要因と対処法を解説します。
 
 

「青クマ」の原因と対処法

目の下が青紫に見える「青クマ」の原因は2つあります。

ひとつは血行不良によるものです。青クマができやすい人には冷え性や頭痛持ちの人が多いと言われています。さらに、長時間に渡るパソコンやスマホの使用、ストレスなどが原因となって起こることもあります。
ご自身でできる対処法としては、目の下の血行を促すマッサージや入浴などが良いでしょう。ただし目の周りをマッサージする際は、必ずマッサージクリームやマッサージオイルを使用して、肌に負担をかけないように行いましょう。何もつけていない状態でマッサージすると、肌をこすってしまい色素沈着の原因となる場合があります。また、蒸しタオルを目もとにあてるのも効果的です。

もうひとつは、皮膚の下にある眼輪筋の色が透けて見えてしまうことです。目の周囲の皮膚は非常に薄く、約0.6mmしかありません。また皮膚の下には皮下脂肪がないため、体質的に皮膚が薄い方は、眼輪筋の色が透けて青く見える場合があります。
このタイプは自己流のケアでは改善が難しく、専門医による治療が有効です。
 
 

「茶クマ」の原因と対処法

「茶クマ」の原因は皮膚の色素沈着です。

目の周囲をこすりすぎなどで起きる刺激や、紫外線によるダメージは原因で、メラノサイトがメラニン色素を過剰に分泌し、色素が皮膚に残留して茶クマになります。他にも、アイメイクのクレンジングが不十分だとその色素が肌に残ってしまい、茶クマとなってしまうこともあります。
この対処法としては、何より刺激を与えないことです。こすらずに、そっと優しく洗顔やケアを行いましょう。紫外線の刺激防止には、日焼け止めやサングラスなどの使用が有効です。また、皮膚の新陳代謝を促進するためにしっかり保湿を行い、ビタミンCが配合された化粧品を使用するのも良いでしょう。

それでも取り切れない茶クマは、レーザーや医薬品による美容医療で治療ができます。
 
 

「黒クマ」の原因と対処法

「黒クマ」の主な原因は目の下のたるみです。

加齢などにより目の周囲にある眼輪筋の筋肉がゆるみ、眼球の重さによって、眼輪筋の内側にある脂肪(眼窩脂肪)が前に押し出されます。この飛び出した部分の下にできる影が黒クマです。
また、コラーゲンの減少なども原因の1つです。真皮に存在する潤いやハリを保つ成分(コラーゲンやヒアルロン酸)が、加齢などにより減少して皮膚がたるみ、その影が黒クマとなる場合もあります。小ジワの凹みが原因で、クマに見える場合もあります。

いずれも皮膚の凹みやたるみが原因のため、自己流のケアでは解消が難しいと言えるでしょう。青クマや茶クマはコンシーラーなどで隠すことができますが、黒クマはメイクでは隠すことができません。黒クマの解消には、手術や脂肪注入などの美容外科的な治療が必要になります。
 
 

セルフケアが難しいクマの治療について

上記で挙げた3種類のクマ意外に、数日程度で治る一過性のクマもあります。
睡眠不足や疲れによって血液が黒ずんでしまうと、目の下の血管が黒く目立ってしまい、クマになることがあります。この場合は、ゆっくりと休養や睡眠をとったり、血行をよくするために身体を温めると、自然に目立たなくなります。

3種類のクマには、自己流のケアで効果が期待できるものと、専門家に治療を受けたほうがよいものがあります。
例えば、黒クマのように最初からお医者さんでないと解消が難しい場合や、上記で挙げたような自己流ケアを行っても改善されなかった、中高生の頃からクマに悩んでいるといった方は、医療機関に相談されることをおすすめします。

また、ほとんどのクマは3種類のいずれかに分類されますが、なかには異なるタイプのクマの症状が組み合わされて発生しているケースもあります。そういった場合も、医療機関に行くことで正しい診断と適切な治療を受けることができます。

クマに対してどのような治療を行うのかについて、次で詳しく説明します。
 
 

美容クリニックで受けられる対処法

3種類それぞれに適した治療法には、以下のようなものがあります。

眼輪筋の色が透けて見える「青クマ」

生まれつき皮膚が薄い方や、加齢によって目の下の皮膚が薄くなった方に現れる症状です。
このクマには、「ヒアルロン酸注入」や「自己脂肪注入」が適しています。皮下組織が透けている部分に、ヒアルロン酸や脂肪を少しずつ広く注入することで、眼輪筋や血管の色が透けて見えるのをカバーします。

色素沈着が原因の「茶クマ」

メラニンなど色素沈着によるクマ治療はレーザー治療とトレチノイン治療が適しています。
「Qスイッチルビーレーザー」は、メラニン色素が原因のしみやあざに効果を発揮するレーザー治療法です。メラニンだけに働きかけるレーザーを照射して、破壊して取り去ります。同時に肌のターンオーバーを促すビタミンA誘導体である「トレチノイン」を塗布し、メラニン色素を素早く排除します。また、メラニンを合成する酵素を弱らせ、メラノサイトの働きも抑制する「ハイドロキノン」を併用することにより、より美白効果を高めることも可能です。

眼窩脂肪の飛び出しが原因の「黒クマ」

眼球を支えている眼輪筋の衰えが原因の「黒クマ」には、「ベビーコラーゲン注入」と「下まぶたのたるみ取り(手術)」という2方向の治療法があります。
ベビーコラーゲンはアメリカ製の製剤で非常に安全性が高いコラーゲン製剤です。製剤の特徴はⅠ型コラーゲンとⅢ型コラーゲンが50:50で配合されており、赤ちゃんの肌のコラーゲン組成に近いため「ベビーコラーゲン」と呼ばれています。
※ベビーコラーゲンは皮膚になじみやすいため、とても自然な仕上がりになります。
注入することにより、クマ部分の陥没を持ち上げて、目立たなくさせます。
 
 
▼ベビーコラーゲン注入―大塚美容形成外科
https://www.otsuka-biyo.co.jp/lineup/skin/collagen/

下まぶたのたるみ取りには、3種類の手術法があります。
ひとつは、下まぶたの裏側を切開して余分な脂肪を取り除く「脱脂法」です。皮膚の切開はしないため、傷跡は見えません。
二つ目は、下まぶたのまつ毛のすぐ近くの皮膚を切開し、くぼんだ部分に脂肪を移動させる「ハムラー法」です(皮膚の切開をしない方法もあります)。加えてヒアルロン酸や自己脂肪を注入することにより、目のくぼんだ部分に若々しいハリを与えることができます。
三つ目は、下垂した余分な皮膚を取り除くことでたるみを解消する「切開法」です。下まつ毛の生え際を切開しますので、傷跡も目立ちません。

手術は2~7日程度のダウンタイムと、約1週間後に抜糸のための通院が必要です。効果の持続期間は、個人差はありますが約10年で長いと言えるでしょう。
一方、注入治療は手軽でダウンタイムを必要としません。しかし持続期間は1年程度と、手術と比べて短くなります。
 
 

クマを見極めて最適な治療法を

クマにはさまざまな種類があり、それぞれ治療法が異なります。適切な治療が行われない限り、セルフケアで改善することは難しいクマも存在します。
自己流のケアでは改善が見られなかったという方は、一度専門医に相談してみるのもよいでしょう。正しい診断と適した治療法で、コンシーラーの要らない、明るい素顔を目指すことができます。

▼目の下のクマの施術―大塚美容形成外科
https://www.otsuka-biyo.co.jp/lineup/skin/circles/
 
 

記事監修医師紹介

大塚院院長大塚院金沢院京都院

石井 秀典医学博士Hidenori Ishii M.D. , Ph.D.

大塚院院長 石井 秀典医学博士 大塚美容外科 石井 秀典医学博士ブログ
略歴
平成12年 帝京大学医学部 卒業
平成12年 帝京大学医学部形成外科 入局
平成17年 杏林大学病院 形成外科 入局
平成18年 大塚美容形成外科 入局
平成18年 医学博士号 学位取得

帝京大学医学部 形成外科 非常勤講師
美容形成外科歴 20年

所属学会・団体
日本形成外科学会会員
日本美容外科学会(JSAPS)正会員
日本頭蓋顎顔面外科学会
日本創傷外科学会
国際形成外科学会会員
取得専門医
日本美容外科学会専門医(日本美容外科学会(JSAPS)認定)
日本形成外科学会専門医
医学博士