横浜院院長Dr.井田のブログ

良きサマリア人の法 1

大阪で凍結保存してあった精子が、保存を中断され、患者様が悲嘆にくれているというニュースが最近ありました。

良きサマリア人の法というタイトルを選んだのは、保存を行っていた施設が、患者様から金銭を取らず善意で精子を保存していたと聞いたからです。

急病の人を善意で助けようとした場合、たとえ医療行為に間違いがあっても法で罰しない、というものが、『良きサマリア人の法』で、カナダ、アメリカではコンセンサスが得られている概念です。

保存といえば、私にも思い出が一つ。

以前にも少し書かせていただきましたが、医者になりたての頃、コンスタンチン君という旧ソ連邦の少年の熱傷に携わりました。

それを契機に、札幌医科大学では熱傷、皮膚の代用臓器に関わる研究が盛んに行われ始めました。

同種線維芽細胞を含む人工真皮の使用経験 | 文献情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター

1996年、今から20年近く前に、私が書いた論文です。昨年、今年とSTAP細胞で話題を独占した理化学研究所からの依頼で、アメリカで既にコマーシャルベースで使用販売されていた、胎児のペニスの包皮から培養した線維芽細胞を含む人口真皮の、日本における臨床試験の結果をまとめたものです。

当時は、北海道ではもちろん、日本でも使用経験のある医師がほとんどいない製品で、形成外科学会の北海道支部会で発表した際、北大の形成外科の先生に取り囲まれて、『一体どこで入手したのか』と問いただされたのを思い出します。

後発部隊の札医の形成が何で持っているのか?

敵意丸出しの感じ。

当時の助教授の阿部清秀先生が、東京警察病院に10年以上勤務したご縁で手に入れたもので、形成外科界における警察病院の地位がよくわかります。

少し話が逸れましたが、人口真皮以外でも、同種皮膚の保存。

つまり、亡くなった患者様から皮膚の提供を受け、それを液体窒素を用いて行う取り組みも同時にしていました。

そんな折、道北の、とある赤十字病院に私が勤務していた時、重症の熱傷患者様が搬送されました。

直感的に同種皮膚移植をしないと助からないと感じ、救急部にお願いして皮膚の提供を待つことに。

しかし、なかなか皮膚の提供者は現れません。

そんな時、当時一緒に勤務していた先生が、『確か、5年くらい前に凍結保存した皮膚が残ってるはずですよ。』

渡りに船とばかりにその皮膚を用いて、重症熱傷の患者様の救命につなげることが出来ました。

しばらくしてから、『長期凍結保存した皮膚の臨床使用は聞いたことがないぞ』との言葉が聞こえてきました。

人の皮膚は貴重で、5年も保存を続けることなどあり得なかったのです。

少し話が長くなってしまいました。

本日はこの辺にして次回へとつなげていきますが、しばらく,『良きサマリア人の法』?に関する私見を綴っていきたいと思います。

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著者紹介

札幌院院長札幌院

武田 昇Noboru Takeda M.D.

札幌院院長 武田 昇 大塚美容外科 札幌院 ドクター武田ブログ
略歴
平成02年 札幌医科大学 卒業
平成02年 札幌医科大学附属病院皮膚科形成外科 入局
平成05年 札幌形成外科病院 入局
平成08年 旭川赤十字病院 入局
平成10年 大塚美容形成外科 入局

美容形成外科歴 30年

所属学会・団体
国際形成外科学会会員
日本美容外科学会(JSAPS)正会員
日本形成外科学会会員
取得専門医
日本形成外科学会専門医
皮膚腫瘍外科指導専門医
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