札幌院院長Dr.武田のブログ

脂肪吸引と脂肪移植

何度かご紹介させていただいているバストに対する脂肪移植。

プュアグラフトと呼ばれる脂肪細胞から不純物を取り除き、脂肪細胞を1cc 単位で移植する方法ですが、どうやら一定の効果は期待できそうです。

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バストの左右差と出産・授乳に伴う虚脱が主訴。

他院で既に一度脂肪注入を受けています。なぜ当院に変えたのか?

お聞きすると、腹部の脂肪吸引とバストの脂肪注入を希望したら、『腹部の脂肪吸引はやってない』と断られたそうです。

こういった患者様がここ数年非常に増えてます。

これは出来るけど、これは出来ない。

なんでもレーザー治療に持って行ってお茶を濁す。

大して効果も無い代わりに、大きな副作用も無い。

美容外科医の数は確実に増加していますが、反面、美容外科医のスキルは確実に落ちてきているように感じます。

当院の副院長、ビューティーコロシアムの半田先生曰く、『10年後には、メスを使った手術を出来る医者が半減するんじゃないか。』

少し話が横にずれてしまいましたが、嘆かわしい限りです。

で、この患者様におかれては、腹部から脂肪を吸引。左右差を考え、右に150cc、左に170cc、の脂肪移植を行いました。

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手術後、1ヶ月経過。

手術前に乳首の位置まで揃えるのは難しい、とお話ししましたが、ほぼ揃えられたのではないかと思います。

ただ残念ながら、この症例に関しては出来過ぎ?、だと正直思います。

なかなか難しいものです、バストの手術は。

ただ、引き受けたからには万全の体制で全力を尽くしたいと常に考えています。

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一粒で二度美味しい?、のがピュアグラフト豊胸術の利点。

少し皮膚の波打ちが見られますが、ご本人は大幅なサイズダウンに大満足。

2ヶ月後の再診を予約されて帰路につかれました。

また2ヶ月後にご報告できれば、と思います。

【高濃度脂肪注入術によるリスク】
感染症、傷跡、しこり、変形

【高濃度脂肪注入術による副作用】
1.内出血
術後に内出血を起こす可能性があります。通常は2週間程度で自然に消失します。内出血は3週間程度で消失します。
2.術後の痛み
注入後は軽度の痛みが出現する場合があります。注入部の痛みは1週間程度で痛みは消失します。脂肪吸引部は1か月程度の痛みがあります。

【リスクと副作用に対する予防】
注入すると内出血をおこす可能性があります。注入時と注入直後に圧迫止血を行うことにより内出血を抑えることができます。

【注入時の痛みに対して】
注入前に患部に対して局所麻酔を行いますので注入時の痛みはほとんどありません。しかし、局所麻酔自体に痛みがあるので、痛みが心配な場合は静脈麻酔を併用します。

【感染症に対して】
高濃度脂肪注入による感染症は非常に少ないですが、万が一、感染症が起きた場合には抗生剤の内服治療を行います。症状が重たい場合には胸部の洗浄処置が必要になります。

【吸引部の傷跡に対して】
患部に対しては注入のみなので傷はできませんが、脂肪吸引を行う箇所は切開が必要になります。傷跡は通常6か月程度赤くなりますが、個人差もあります。

【しこり形成に対して】
注入した脂肪が壊死するとしこりとなります。注入の際には壊死を起こさないように専用の注入器(セルブラッシュ)を使用して丁寧な注入を行います。また脂肪の生着率を良くする目的でピュアグラフトを用いて高濃度脂肪を注入しています。

【吸引部の変形】
吸引部に十分な脂肪がある場合は問題ありませんが、十分な脂肪が無い場合には無理に脂肪吸引を行うことで凹凸などの変形を起こす可能性があるので、お勧めしないこともあります。

▼高濃度脂肪注入術https://www.otsuka-biyo.co.jp/lineup/bust/puregraft/

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※記事の内容・金額については掲載当時のものになります。施術の詳細については各院までお問合せください。

著者紹介

札幌院院長札幌院

武田 昇Noboru Takeda M.D.

札幌院院長 武田 昇 大塚美容外科 札幌院 ドクター武田ブログ
略歴
1990年 札幌医科大学 卒業
1990年 札幌医科大学附属病院皮膚科形成外科 入局
1993年 札幌形成外科病院 入局
1996年 旭川赤十字病院 入局
1998年 大塚美容形成外科 入局

美容形成外科歴 32年

所属学会・団体
国際形成外科学会会員
日本美容外科学会(JSAPS)正会員
日本形成外科学会会員
取得専門医
日本形成外科学会専門医
皮膚腫瘍外科指導専門医
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