院長Dr.石井の美容ブログ

下まぶたのクマ治療 パートⅡ

Recently updated on 9月 9th, 2019 at 03:04 pm

前回のブログに引き続き下まぶたのクマ治療についてです。

今回のモニターさんは、4つ前の記事でご紹介した
「埋没法と目頭切開と目尻切開を同時に行ったモニターさん」です。

前回のブログの写真をご覧になった方の中には
下まぶたのクマに気づいた方もいたかもしれません。
実はご本人も手術前から下まぶたのクマを気にされていて、
「目の手術が終わったらクマの治療を」と考えていらっしゃいました。

<クマの原因は筋肉>
下まぶたで気になる点は以下の二つでした。
・クマの部分が凹んでいること
・色素沈着のようなうす暗い色が見えている状態

このうす暗い色の正体は色素沈着ではなく筋肉です。
筋肉は本来赤い色ですが、
皮膚の肌色を通して見ると薄茶色からグレーっぽく見えます。

このモニターさんのように色白で皮膚が薄い方だと
筋肉が透けてクマとして見えることになります。
また、陥没しているため影となり、より暗い色となります。
「クマの原因は何か」を正しく突き止めることは、非常に重要です。

そこで、今回のクマの治療も、前回と同じくヒアルロン酸注入を行いました。

<カニューレ針の使用>
下まぶたの筋肉が付いている部位、
tear trough ligamentという線維組織が付いている位置、
筋肉の厚みなどを考えてヒアルロン酸を注入していきます。
注入の際には直接的に針を刺すのではなく
「カニューレ針」という先端が丸くなった形状の針を使って行います。

カニューレ針を使用する理由は、2つ。
1つ目は内出血を起こしにくいから。
先端が尖っていないので血管を傷つける可能性が少ないです。

もう一つの大きな理由は針の先端が組織に触れることで
先端がどの位置にあるのかを推測することができることです。
例えば骨に当たれば硬いので骨と分かります。
これは通常の針でも分かりますが、
脂肪層や筋肉層でも針先の抵抗はわずかに違いがあります。
通常の針ではこの違いの区別はできませんが、
カニューレ針だと抵抗の違いを感じることができます。

このようにして針先の位置を確かめつつ
ヒアルロン酸を注入することでクマを治療することができます。

(術前 フラッシュあり)

(術前 フラッシュ無し)

(術後 フラッシュあり)

【ヒアルロン酸注入によるリスク】
感染症、注入した部位の皮膚の不整、皮下出血、皮膚壊死

【ヒアルロン酸注入スによる副作用】
1.内出血
術後に内出血を起こす可能性があります。通常は2週間程度で自然に消失します。
2.針孔の赤み
ヒアルロン酸注入は注入部位に針を刺すので針孔が赤くなります。赤みは2~3日で消失します。

【リスクと副作用に対する予防】
皮膚の浅い部分にヒアルロン酸を注入すると内出血をおこす可能性があります。注入時と注入直後に圧迫止血を行うことにより内出血を抑えることができます。

【針孔の赤みに対して】
針を皮膚に刺すことにより炎症反応がおきるため皮膚が赤くなります。炎症反応を抑える目的で注入直後はステロイド含有軟こうを使用します。また、注入直後のアイシングも有効です。

【注入時の痛みに対して】
麻酔クリームにより針を刺す痛みを軽減することができます。注入する部位によってはブロック麻酔を使うこともできます。

【感染症に対して】
ヒアルロン酸注入による感染症は非常に少ないですが、万が一、感染症が起きた場合には抗生剤の内服治療を行います。

【注入した部位の皮膚の不整に対して】
皮膚の不整とは注入した部位の皮膚がミミズばれのように「でこぼこ」が出来てしまった状態です。皮膚の厚みに合わせて注入する深さ、使用するヒアルロン酸を調節することが必要です。

【皮下出血に対して】
下まぶたは血管の多い部位なので針を何回も刺入すると血管から出血する可能性があります。当院ではカニューレ針という鈍針を使用して血管を傷つけないようにして注入しています。

【皮膚壊死に対して】
ヒアルロン酸の注入は皮下脂肪の深さか骨上の深さに注入しますが、誤って筋層内の深さに注入すると筋層内を通る血管内に入ってしまう可能性もあります。血管内に多くのヒアルロン酸を注入すると皮膚壊死を招く恐れもあります。顔面の正確な解剖を理解していることと丁寧な注入手技が必要となります。また、皮膚壊死は血管が詰まっても直ぐに壊死が起きるわけではありません。2~3日の経過で壊死が進行するので、注入直後の診察で皮膚壊死が疑われた場合にはヒアルロン酸を溶解することで皮膚壊死を予防することもできます。

【料金(税別)】
Vシェイプ
ボリューマXC(1本・1ml)…¥100,000 厚生労働省認可、長期持続型
ボリフトXC(1本・1ml)…¥100,000 厚生労働省認可、長期持続型

ジュビダームビスタ(アラガン社)
ウルトラ(1本・1ml)…¥80,000 厚生労働省認可
ウルトラプラス(1本・1ml)…¥80,000 厚生労働省認可
ボリューマXC(1本・1ml)…¥100,000 厚生労働省認可、長期持続型
ボリフトXC(1本・1ml)…¥100,000 厚生労働省認可、長期持続型

ベロテロ(メルツ社)
ソフト(1本・1ml)…¥80,000 FDA認可
バランス(1本・1ml)…¥80,000 FDA認可

レスチレン(ガルデルマ社)
レスチレンリド(1本・1ml)…¥80,000 厚生労働省認可
レスチレン リフト リド(1本・1ml)…¥80,000 厚生労働省認可
ビタールライト(1本・1ml)…¥80,000
スキンブースター(1本・1ml)…
1cc…¥60,000、2cc…¥100,000、1cc×3回…¥150,000、2cc×3回…¥250,000

クレヴィエル(AESTRA社)
1本・1ml …¥80,000
ゼオミン(メルツ社)1回・1部位…¥80,000

▼ヒアルロン酸注入 https://www.otsuka-biyo.co.jp/lineup/skin/shiwatori/


※記事の内容・金額については掲載当時のものになります。施術の詳細については各院までお問合せください。
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著者紹介

大塚美容形成外科 総院長
大塚院院長
大塚院金沢院京都院銀座院

石井 秀典医学博士Hidenori Ishii M.D. , Ph.D.

大塚院院長 石井 秀典医学博士
大塚美容外科 石井 秀典医学博士ブログ 大塚美容外科 石井 秀典医学博士 インスタグラム
略歴
2000年 帝京大学医学部 卒業
2000年 帝京大学医学部形成外科 入局
2005年 杏林大学病院 形成外科 入局
2006年 大塚美容形成外科 入局
2006年 医学博士号 学位取得

帝京大学医学部 形成外科 非常勤講師
美容外科・形成外科歴 23年

所属学会・団体
日本形成外科学会会員
日本美容外科学会(JSAPS)正会員
日本頭蓋顎顔面外科学会
日本創傷外科学会
国際形成外科学会会員
取得専門医
日本美容外科学会専門医(日本美容外科学会(JSAPS)認定)
日本形成外科学会専門医
医学博士
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