院長Dr.石井の美容ブログ

ほうれい線の治療

Recently updated on 5月 20th, 2019 at 02:50 pm

前回に引き続き、ほうれい線の治療について説明します。

若返り治療で一番効果が高い方法は何でしょう?

主観的な判断ですので断言はできませんが、
やはりダウンタイムのかかるフェイスリフトが最も効果が高いです。

それでなければ、わざわざ長いダウンタイムと高額の料金を支払って
フェイスリフトの手術を受ける人はいないです。

しかし、ほうれい線に限ってはフェイスリフトの治療を行っても完全には無くなりません。
ほうれい線の治療のみを目的とするのであればフェイスリフトの治療よりも
ヒアルロン酸の注射をお勧めします。

ほうれい線の治療を希望されて来院される方は多いですが、
お話をよく聞けば治療の目的は顔を簡単な方法で若返らせることだと思います。

そこで診察を行い、老けて見える原因をつきとめ、
ダウンタイムや予算を考慮して治療方法をご提案していきます。

その結果、ほうれい線に対するヒアルロン酸の治療が選択されることが多いため
一般的に広まったのだと思います。

最近では新規の患者様でも治療の内容を
「ほうれい線に対するヒアルロン酸注射」と具体的に決めてから来院される方もいます。

そのような場合でも老けの原因について診察させて頂き、
私なりの評価を説明してから治療を始めます。

ほうれい線のヒアルロン酸注射で大きく間違っていることは、ヒアルロン酸の注入量です。

ヒアルロン酸を多く注入すれば良くなるわけではありません。
シワの線が完全に消えたとしても顔が大きく見えたり、
不自然になってしまえば美容治療としての意味が全くありません。

美容整形の宣伝などで「ヒアルロン酸打ち放題」というのを見かけることがありますが、
ヒアルロン酸の使い方を間違えた治療方針だと思います。

今回のモニターさんはほうれい線とマリオネットラインに対して
ヒアルロン酸注射を行いました。

この治療で使用したヒアルロン酸は1ml(1本)です。
1本のヒアルロン酸を丁寧に少しずつ注入することにより自然な仕上がりとなります。

以前にミニリフトの手術を受けています。
タルミに対してはリフトアップの治療を行い、シワに対してはヒアルロン酸の注入と
それぞれの原因に合った治療法を行うことが自然な若返り治療に大切なことだと思います。
ミニリフトはフェイスリフトよりも切開が短く腫れも少ないです。
1週間でこの状態です。


傷も6カ月後の状態ですが、ほとんどわからないと思います。

【ヒアルロン酸注入によるリスク】
感染症、注入した部位の皮膚の不整、皮下出血、皮膚壊死

【ヒアルロン酸注入スによる副作用】
1.内出血
術後に内出血を起こす可能性があります。通常は2週間程度で自然に消失します。
2.針孔の赤み
ヒアルロン酸注入は注入部位に針を刺すので針孔が赤くなります。赤みは2~3日で消失します。

【リスクと副作用に対する予防】
皮膚の浅い部分にヒアルロン酸を注入すると内出血をおこす可能性があります。注入時と注入直後に圧迫止血を行うことにより内出血を抑えることができます。

【針孔の赤みに対して】
針を皮膚に刺すことにより炎症反応がおきるため皮膚が赤くなります。炎症反応を抑える目的で注入直後はステロイド含有軟こうを使用します。また、注入直後のアイシングも有効です。

【注入時の痛みに対して】
麻酔クリームにより針を刺す痛みを軽減することができます。注入する部位によってはブロック麻酔を使うこともできます。

【感染症に対して】
ヒアルロン酸注入による感染症は非常に少ないですが、万が一、感染症が起きた場合には抗生剤の内服治療を行います。

【注入した部位の皮膚の不整に対して】
皮膚の不整とは注入した部位の皮膚がミミズばれのように「でこぼこ」が出来てしまった状態です。皮膚の厚みに合わせて注入する深さ、使用するヒアルロン酸を調節することが必要です。

【皮下出血に対して】
下まぶたは血管の多い部位なので針を何回も刺入すると血管から出血する可能性があります。当院ではカニューレ針という鈍針を使用して血管を傷つけないようにして注入しています。

【皮膚壊死に対して】
ヒアルロン酸の注入は皮下脂肪の深さか骨上の深さに注入しますが、誤って筋層内の深さに注入すると筋層内を通る血管内に入ってしまう可能性もあります。血管内に多くのヒアルロン酸を注入すると皮膚壊死を招く恐れもあります。顔面の正確な解剖を理解していることと丁寧な注入手技が必要となります。また、皮膚壊死は血管が詰まっても直ぐに壊死が起きるわけではありません。2~3日の経過で壊死が進行するので、注入直後の診察で皮膚壊死が疑われた場合にはヒアルロン酸を溶解することで皮膚壊死を予防することもできます。

【料金(税別)】
Vシェイプ
ボリューマXC(1本・1ml)…¥100,000 厚生労働省認可、長期持続型
ボリフトXC(1本・1ml)…¥100,000 厚生労働省認可、長期持続型

ジュビダームビスタ(アラガン社)
ウルトラ(1本・1ml)…¥80,000 厚生労働省認可
ウルトラプラス(1本・1ml)…¥80,000 厚生労働省認可
ボリューマXC(1本・1ml)…¥100,000 厚生労働省認可、長期持続型
ボリフトXC(1本・1ml)…¥100,000 厚生労働省認可、長期持続型

ベロテロ(メルツ社)
ソフト(1本・1ml)…¥80,000 FDA認可
バランス(1本・1ml)…¥80,000 FDA認可

レスチレン(ガルデルマ社)
レスチレンリド(1本・1ml)…¥80,000 厚生労働省認可
レスチレン リフト リド(1本・1ml)…¥80,000 厚生労働省認可
ビタールライト(1本・1ml)…¥80,000
スキンブースター(1本・1ml)…
1cc…¥60,000、2cc…¥100,000、1cc×3回…¥150,000、2cc×3回…¥250,000

クレヴィエル(AESTRA社)
1本・1ml …¥80,000
ゼオミン(メルツ社)1回・1部位…¥80,000

▼ヒアルロン酸注入 https://www.otsuka-biyo.co.jp/lineup/skin/shiwatori/

【ミニリフトによるリスク】
感染症、皮下出血、傷跡、顔面神経麻痺

【ミニリフトによる副作用】
1.術後の腫脹
大きな腫れは1週間程度、小さな腫れは2週間程度あります。
2.内出血
術後に内出血を起こす可能性があります。通常は2週間程度で自然に消失します。
3.傷跡
傷跡は術後1~2か月程度赤くなります。
3.術後痛み
手術当日から翌日にかけては手術による痛みが出現する可能性があります。

【リスクと副作用に対する予防】
術後の感染症に対する予防的投与として抗生剤の点滴と内服を開始します。術後の痛みに対して鎮痛剤と共に胃粘膜保護剤を処方します。手術当日は入院となるので点滴や筋肉注射による鎮痛剤も使用できます。術後の腫れを抑えるために包帯による圧迫を行います。また、目周りの腫れを抑えるために術後2日間の瞼に対するアイシングを推奨しています。

【皮下出血のリスクに対して】
ミニリフトでは皮膚の下を剥がしてタルミを引き上げるため術後に皮下出血をおこす可能性があります。ドレーンの挿入と包帯による圧迫で皮下出血を予防しています。

【傷跡に対して】
当院で行うミニリフトではSMASを引き上げることによりタルミを改善させるため皮膚を引き上げることは行いません。皮膚の切除はタルミを改善した状態で余っている分の切除しか行わないため傷に対する力がかからない状態となります。傷に力がかからない状態で縫合するので傷跡は目立ちにくくなります。

【顔面神経麻痺のリスクに対して】
SMASの下には耳下腺があります。耳下腺の中には顔面神経が通っています。ミニリフトの手術では耳下腺を超えない範囲での手術となるので顔面神経を傷つける可能性は少ないです。

【料金(税別)】
¥500,000

▼ミニリフト https://www.otsuka-biyo.co.jp/lineup/skin/minilift/


※記事の内容・金額については掲載当時のものになります。施術の詳細については各院までお問合せください。
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著者紹介

大塚美容形成外科 総院長
大塚院院長
大塚院金沢院京都院銀座院

石井 秀典医学博士Hidenori Ishii M.D. , Ph.D.

大塚院院長 石井 秀典医学博士
大塚美容外科 石井 秀典医学博士ブログ 大塚美容外科 石井 秀典医学博士 インスタグラム
略歴
2000年 帝京大学医学部 卒業
2000年 帝京大学医学部形成外科 入局
2005年 杏林大学病院 形成外科 入局
2006年 大塚美容形成外科 入局
2006年 医学博士号 学位取得

帝京大学医学部 形成外科 非常勤講師
美容外科・形成外科歴 23年

所属学会・団体
日本形成外科学会会員
日本美容外科学会(JSAPS)正会員
日本頭蓋顎顔面外科学会
日本創傷外科学会
国際形成外科学会会員
取得専門医
日本美容外科学会専門医(日本美容外科学会(JSAPS)認定)
日本形成外科学会専門医
医学博士
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