Recently updated on 5月 29th, 2023 at 01:31 pm
広範囲の脂肪吸引について説明します。
広範囲に脂肪吸引を行う上で重要なことは麻酔方法です。
主な麻酔方法は、局所麻酔、静脈麻酔、全身麻酔などがあります。
局所麻酔は歯科の虫歯治療や外科の裂傷を縫合する時など
患部に直接麻酔液を注射して痛みを感じさせなくする麻酔方法です。
静脈麻酔とは健康診断等で内視鏡を用いて胃の検査を受ける時などに、
点滴で静脈に麻酔液を注入し意識レベルを下げ軽眠させる麻酔方法です。
全身麻酔とは麻酔科医の管理のもと完全に意識を無くして行う麻酔方法で、
外科手術の際には最も一般的な麻酔方法です。
局所麻酔は一般的にキシロカインという薬剤を使用しますが
使用できる量に制限があるため、麻酔できる範囲にも制限があります。
今回のような広範囲を局所麻酔のみで行うには許容量を超えてしまうため
安全な手術は行えません。
広範囲の脂肪吸引を行う時には静脈麻酔や全身麻酔により痛みを無くし、
意識も眠った状態にした上で局所麻酔を使用するため麻酔量を少なくして
手術を行うことができます。
局所麻酔のみで脂肪吸引を行う際のもう一つのデメリットは、
手術中の痛みを完全に無くすことができないことです。
通常の局所麻酔の手術では1%の麻酔薬をそのまま使用しますが、
脂肪吸引では0.05%程に薄めた状態にして使用します。
しかし、濃度が薄いために完全に痛みを無くすことができません。
薄くする理由は使用できる麻酔量に制限があるためです。
そのため局所麻酔のみで脂肪吸引を行う場合には、
部位によっては痛みを感じるため麻酔薬を追加して対応していきます。
しかし、痛みに弱い方ですと手術を続けることが出来なくなり
不完全な脂肪吸引で終わってしまうこととなります。
そうならないように、手術前の麻酔プランがとても重要となるわけです。
手術前に患者様から、
「静脈麻酔や全身麻酔は意識がなくなるので怖いです。
できれば局所麻酔のみで行いたいです」という相談をよく受けます。
確かに薬剤を使って意識を無くすと考えると怖いかもしれませんが、
飲酒した後に寝ている状態に近いです。
さらに眠っている状態は血圧計、心電図、血中酸素濃度などでモニターし
医師が観察しているため安全に手術を行うことができます。
全身麻酔でも、ご本人の希望があれば日帰りで大丈夫です。
さて、今回のモニターさんが希望されていた脂肪吸引の範囲は
腹部全体から腰部、背部、臀部、大腿全体まででした。
他院にもカウンセリングを受けに行かれたようで
脂肪吸引の方法についてなど色々と調べられていました。
この方の一番の問題は、下腹部でした。
腹部は全体に脂肪も付いていましたが、
下腹部は皮膚が余っているため、写真の通りたるみがあります。
脂肪吸引を行うと皮膚が余ってしまい
たるみがより目立ってしまう可能性があったため、
今回はできるだけたるまない範囲で脂肪吸引を行いました。
2カ月後の写真では、下腹部の皮膚にたるみは出ていません。
全体的にきれいなボディラインに仕上がっていると思います。
【脂肪吸引によるリスク】
感染症、皮下出血、傷跡、変形
【脂肪吸引による副作用】
1.内出血
術後に内出血を起こす可能性があります。通常は3週間程度で自然に消失します。
2.術後の痛み
脂肪吸引した部位は術後に2週間程度の痛みがあります。また、立ち上がる動作や歩き出す動作の時に感じる違和感は2か月程度あります。
3.術後の腫れ
大きな腫れは2週間程度、小さな腫れは2か月程度あります。腫れを抑えるために術後は弾性ストッキングを着用します。
【リスクと副作用に対する予防】
術後の腫れを抑える目的で1日の入院をお勧めしています。入院中は包帯で圧迫できるので術後の腫れを軽減することができます。術後の感染症に対する予防的投与として抗生剤を処方します。
【料金(税別)】
ボディデザイン脂肪吸引
二の腕ライン…¥ 250,000
腹部(上部腹ライン)…¥380,000
腹部(下部腹ライン)…¥380,000
腰ライン…¥300,000
臀部ライン(おしり)…¥380,000
大腿(内側のライン)…¥380,000
大腿(外側のライン)…¥380,000
膝(内側のライン)…¥210,000
膝(下部)…¥128,000
下腿ライン…¥380,000
足首ライン…¥250,000

