ピアスの穴開け「ピアッシング」後には、様々な傷口のトラブルが起こる可能性があります。こういった傷口のトラブルには様々な原因があるので、どんなにこまめに消毒を行っても100パーセント防げるものではありません。
また、ピアスホールの見た目のトラブルだけでなく、傷口に継続的な痛みを感じたり、金属によるアレルギー症状が見られることもあります。
更に穴あけ施術直後のトラブルだけでなく、時間の経過とともにピアスの穴がしこり状態(肉芽)になり盛り上がってしまったり、穴が大きくなりすぎたり、ピアスホールが裂けてしまったりといったトラブルが見られる場合もあります。
大塚美容形成外科では、このようなピアスホール関連のトラブルに、医療機関ならではの的確な治療と施術で対応いたします。ただ傷口を治療するだけでなく、見た目の美しさにもこだわって傷跡の目立たない治療をご提案させて頂きます。
ピアスホールの傷口から体内に細菌が侵入し感染状態になることで、ピアスホール周辺の皮膚が赤く腫れて痛みやかゆみを感じたり、黄色や白色の体液が滲み出るといった症状が見られます。
このような症状には、傷口の状態によっては一旦ピアスの使用を中止し、症状に合わせて飲み薬や塗り薬の処方などを行っています。
消毒薬を使用しすぎることにより起きるトラブルで、市販のピアスに付属している消毒薬を使用した方に良く見られます。消毒薬でかぶれてしまうと、傷口周辺の皮膚がボロボロと剥がれたり、痒み・赤み・ただれ等の症状が見られます。
このような症状には、傷口の状態によっては一旦ピアスの使用を中止し、症状に合わせて飲み薬や塗り薬の処方などを行っています。
ピアスホールの傷口に長期間ピアスの金属が直接触れることにより、傷口の腫れ・痒み等のアレルギー症状が見られることがあります。特にニッケル・コバルト・クロームを使用した際に金属アレルギーを起こしやすく、一旦症状が出てしまうとピアス以外の金属アクセサリーでも症状が出やすくなる傾向があります。
このような症状には、このような症状には、一旦ピアスの使用を中止し、それぞれの症状に合った塗り薬を処方しています。
自分の耳たぶの厚みよりも短い軸のピアスを使用したり、ピアスをつけたまま傷口を圧迫したり、ピアスホールの炎症でピアスホール自体が柔らかくなってしまうと、ピアスが耳たぶに埋没してしまい、赤みやかぶれ・痛みなどの症状を感じることがあります。
この場合は、症状が酷くなる前にピアスを外すことをお勧めしています。症状が重い場合は傷口を切開してピアスを取り出す施術を行います。
重いピアスを長時間つけたり、着替えや就寝時にピアスを引っ掛けてしまうことにより起きる症状で、ピアスホールが細長く伸びてしまったり、耳たぶが裂けてしまうといった症状が見られます。
このような症状には、局所麻酔による縫合手術を行っています。
しこりの原因は様々ですが、ピアスホール周辺や耳たぶの裏などに固いしこりができ、段々と大きくなってくることが多く、炎症を起こしたり傷口が化膿するといった症状が見られることもあります。
腫瘍は基本的には塗り薬では完治しませんので、症状が酷い場合は摘出・修正手術を行うことをお勧めしています。
しこりが重症化するとケロイドになり、ピアスホール周辺の皮膚が盛り上がって赤みを帯びて固くなります。耳たぶは元々、ケロイドが出来やすい箇所なので、元々ケロイドが出来やすい体質の方は、ピアスホールを開けることにより高確率でケロイドの症状が見られます。
ケロイドは放置していても症状が改善することはありませんので、症状に合わせて外用薬・内服薬のほか、場合によっては切除手術をお勧めしています。ケロイドは症状が再発しやすく、切除手術後も長期的な再発予防の治療が必要となります。
帝京大学医学部 形成外科 非常勤講師
美容形成外科歴 21年