副乳とは、通常の左右1つずつある乳房の他に、乳頭が存在するものを指します。
本来は進化の過程で消えてしまった乳房が、母体内で胎児期に「乳腺堤(ミルクライン)」と呼ばれる、腋の下~乳頭~内腿までの線上に、幾つかの乳房の元となる細胞群である「原基」が作られます。通常はメインの乳腺以外は退化しますが、退化しきれずに残ってしまった乳房が「副乳」と呼ばれます。
副乳は乳頭だけが存在するものを副乳頭(多乳頭症または重複乳頭)、乳腺組織が存在するものを副乳腺(多乳房症)と言います。また、乳輪だけ残っている場合もあります。
副乳は生理的変化の一環であり、通常は特に治療の必要はありませんが、大きくて目立つ場合などの審美的な面で気になる場合は除去することが可能です。大塚美容形成外科ではメスによる切開除去(切縫)を行っています。
副乳除去の施術プロセス副乳は男性の1.5%、女性の5%が持つと言われています。本来の乳房よりも目立たないことが殆どですが、サイズには個人差があり、成長するに従って徐々に目立つようになります。
主に腋の下や乳房の下などによく見られ、思春期や妊娠・授乳期に脂肪の塊のようなふくらみを感じたり、小さな乳頭や乳輪が見られるようになります。また、副乳に乳腺がある場合、より大きな膨らみが見られます。
また、副乳の乳腺は、通常の乳房にある乳腺と同じようにホルモン分泌に左右されるため、女性は月経前の「黄体期」と呼ばれるホルモン分泌が多い時期になると、副乳の乳腺に緊満感・腫れ・痛みなどを感じる場合があります。乳腺のある副乳は、妊娠中や授乳中は乳腺の発達により乳汁が出る場合があります。
副乳や迷入乳腺(乳腺組織の一部が皮下にあり結節状になっている状態)の中には腫瘍が発生する可能性もあるのでレーザーではなく外科的に切除するべきだと考えています。切除後は傷の赤みが残りますが時間の経過で目立たなくなります。
ホクロ・いぼの切縫と同じ施術方法で、患部に局所麻酔をした後にメスによる切開で副乳組織を除去します。1度の施術で完全に副乳を取り除くことができます。
施術時間 | 約30分 |
ダウンタイム | 2~3日 |
術後の腫れ | 1週間程度 |
施術の痛み | 麻酔をするので痛みはほとんどありませんが、当日は多少痛みがあります。 |
入院・通院 | 7日後に抜糸が必要です。 |
麻酔 | 局所麻酔 |
持続性 | 半永久 |
シャワー・入浴 | シャワーは2日後から、入浴は抜糸後から。 |
施術名 | 個数 | 定価(税抜) |
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切縫(せっぽう) | 1個 | ¥50,000~¥100,000 |
帝京大学医学部 形成外科 非常勤講師
美容形成外科歴 21年