蒙古襞(もうこひだ)とは、上まぶたの内側から内眼角と呼ばれる目頭にかけて被さっているひだ(皮膚)のことで、内眼角贅皮(ないがんかくぜいひ)・瞼鼻ひだ(けんびひだ)とも呼ばれます。
元々、蒙古襞は長い人類の歴史の中で、目を寒さや乾燥から守るため、気候的要素が原因で発達したと言われています。蒙古襞は黄色人種(モンゴロイド)によく見られ、西洋人には極稀にしか見られません。
蒙古襞があることにより「目が小さく見える」「目が離れて見える」「末広型の二重になる」といったお悩みを持つ方もいらっしゃるようです。
目頭切開法で蒙古襞を切除した方や、元々生まれつき蒙古襞が無い方の中には、目が寄りすぎて見えてしまったり、きつい印象の目元に見えてしまうケースがあります。
※写真は生まれつき蒙古襞が無い西洋人の女性で、寄り目気味に見えています。
このように、少しの差でお顔のバランスが崩れてしまう蒙古襞を、目頭から上まぶたにかけての皮膚をメスで切開して丁度良いバランスになるように調整するのが「蒙古襞形成(目頭切開修正)」です。蒙古襞形成(目頭切開修正)には、3つの切開方法があり、患者様の目元の様子を診察した上で、最も良いと思われる方法をご提案させて頂いています。
蒙古襞形成(目頭切開修正)の施術プロセス蒙古ひだ形成術は目頭切開による「開き過ぎ」の状態を戻すための手術です。目頭切開の手術は皮膚を切除する手術なので正確には完全に戻すことは出来ませんが、皮膚を移動させて「ひだ」となる部分を作ることによって目元をマイルドな状態に戻します。実際の皮膚移動のデザインは目頭の状態により決めていきます。
当院では3種類の切開方法で施術を行っています。
逆Z法は、目頭切開修正の施術方法の中では最も一般的な方法です。目頭切開法で行われる「Z法」という切開方法と反対の事を行う施術方法なので「逆Z法」と呼ばれています。
逆Z法で作る蒙古襞は、下向きで立体感のあるナチュラルなデザインが特徴です。目頭切開法で目頭を切りすぎてしまった方や、元々蒙古襞が無く、寄り目に見える方にお勧めです。
逆Z法は、目頭切開修正の施術方法の中では精度が高い施術方法で、目と目の間の距離をきっちり決めたい方にお勧めの施術方法です。
VY法で作る蒙古襞は、逆Z法で作る蒙古襞はと違って平面的なデザインが特徴で、逆Z法と違って目頭の先端が鋭角にならず、丸みを帯びた仕上がりになります。
下眼瞼皮弁法は、切開した下まぶたの皮膚を皮弁(皮膚組織・フラップとも言う)にして蒙古襞を作る方法です。
施術時間 | 40分 |
術後の腫れ | 3日程度(軽い腫れは10日程度) |
施術の痛み | チクっとする程度 |
入院・通院 | 入院不要。術後7日後に抜糸のための来院が必要です。 |
麻酔 | 点眼麻酔・局所麻酔 |
持続性 | 半永久 |
洗顔 | 抜糸翌日から可能です。 |
シャワー・入浴 | シャワーは手術当日より可能ですが、傷口にシャワーの湯水がかからないよう注意します。 入浴は抜糸翌日から可能です。 |
メイク | アイメイク以外のメイクは手術当日から可能です。アイメイクは抜糸後から可能です。 |
コンタクトレンズ | 1週間後からつけて頂けます。 |
帝京大学医学部 形成外科 非常勤講師
美容形成外科歴 21年